2009年度工学院大学 第1部環境化学工学科
△表面工学(Surface Chemical Engineering)[1C07]
2単位 上松 敬禧 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 表面の構造や物理・化学的性質は予想以上に多彩であり、時には我々の知っている物質や材料の機能が"表面”で決定されていることも多い。20世紀の後半に開発された優れた表面機能材料は、高度科学技術化社会を支える最先端のナノテクノロジーの主要なパートをしめている。そこで、基礎編では表面とは何かを理解するために、表面の構造、性質、化学的反応性、基本的表面処理、表面加工ついて学ぶ。続いて、表面が直接関与するナノテクノロジーや地球環境保全を含む応用技術について最新のデータを用いて検討する。また、幅広い分野での表面機能材料の役割を具体的に知ることで、専門的判断力を養うと同時に、先端技術の社会における使命について一緒に考えることを目的とする。
- <授業計画及び準備学習>
- <授業計画(予定)H20>
【 I 基礎編 】 1.はじめに−表面工学とはなにか−先端技術を支える基礎技術 2.表面とはなにか−固体表面とバルク、表面ナノ構造とは、配位不飽和、表面残基 3.表面・界面の特性及び反応性、表面エネルギー、構造緩和、再配列、分散度、表面の反応性 4.吸着とはなにか−物理吸着と化学吸着の現象と理論、BET多層吸着モデルと応用、 Langmuir化学吸着モデル、吸着熱 5.化学吸着−選択性、解離・非解離、吸着サイトと吸着種の構造・反応性 6. 表面の構造・性質及び吸着種を同定する−構造解析、分光学的測定 7. 液体表面のエネルギー−濡れと接触角、表面の親水性・疎水性、 Young-Laplace式 8.基礎編のまとめ(中間討論とレポート)
【 II 応用編 】 9. 接着と粘着、 10.表面処理・加工−腐食、防食、塗装、摩擦、磨耗と潤滑、表面改質 11. 超微細加工−表面研磨、蒸着、フォトレジスト、プラズマ加工とLSI, ナノデバイス設計 12.薄膜の世界−単層膜、多層膜、有機−無機高機能性膜 13.超微粒子の世界(ナノ粒子、クラスター、研磨剤、インクジェット技術, CNT) 14.表面の化学機能(表面錯体、触媒機能) 15.学習成果の確認(期末試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 【 評価法 】
1 講義中に(10回以上)小問を課し、平常点として5点法で採点し、合計する。 2 基礎編のまとめとして中間レポートを課し10点法で採点する。 3 期末筆記試験を実施し、100点満点で採点する。 平常点、中間レポートと期末筆記試験の結果を4:1:5の割合で総合評価し、60点以上を合格と する。但し、14回までの講義のうち欠席が3回を越える場合には履修放棄とみなし、失格とする。
- <オフィスアワー>
- 毎週講義の終了後。事前に申し出てください。
- <学生へのメッセージ>
- 貴重な時間を共有して楽しめるよう、毎回の課題を一緒に考えましょう。
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