2009年度工学院大学 第1部環境化学工学科

物理化学II(Physical Chemistry II)[3164]

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2単位
長本 英俊 教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
前半では、化学反応に関して大切な化学平衡について学ぶ。系の自発的な変化はエントロピーの増大を伴い、ギブズエネルギーがその変化の方向を示すことを理解し、反応にかかわる物質のギブズエネルギーを用いて反応の平衡組成を予測する。このため熱力学がどのように使われるかなどを学ぶ。 後半では、平衡電気化学を取り扱う。電解質溶液は、電解質がイオンに解離した水溶液中であるが、そのイオンの熱力学的振舞いについて理解する。さらに、化学電池について理解を深める。
(JABEE学習・教育目標)
「環境化学工学プログラム」:(D)◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)-(3)◎

<授業計画及び準備学習>
毎回、授業の終了前25分間程度、演習を実施する。
1. Gibbsエネルギーと熱力学的平衡の復習
2. 自発的な化学反応(1):反応系のGibbsエネルギーの変化と平衡組成
3. 自発的な化学反応(2):反応平衡定数および関連する平衡定数(解離度他)の計算。
4. 外部条件に対する平衡の変化:圧力と温度が変わると系の平衡はどう変わる?
5. いろいろな反応系への応用:酸化物から金属の抽出、酸と塩基など。
6. 中間試験
7. 溶液中のイオンの熱力学的性質(1):イオンの標準生成関数。
8. 溶液中のイオンの熱力学的性質(2):活量の定義、平均活量係数。
9. 化学電池(1):半反応(半電池)と電極反応。
10. 化学電池(2):いろいろな電池.Gibbsエネルギーと電位(Nernstの式)。
11. 標準電位:電位には基準が必要:標準電位とその測定、活量係数の測定。
12. 標準電位の応用(1):電気化学系列、溶解度定数、pHとpKの測定。
13. 標準電位の応用(2):イオン選択性電極と電池電位測定からの熱力学関数測定法。
14. 定期試験

<成績評価方法及び水準>
中間試験を40%, 定期試験を60%として、60点以上で合格とする。ただし、50%〜59%の者は追加演習問題の全問正解をもって合格とする。

<教科書>
「アトキンス物理化学(上) 第6版」千原秀昭・中村亘男訳(東京化学同人)  

<参考書>
物理化学の本はたくさん出版されているので、自分が理解しやすいと思う本を探し、活用して下さい。

<オフィスアワー>
場所は5号館206ですが、e-mail(nagamoto@cc.kogakuin.ac.jp)で予約してください。

<学生へのメッセージ>
熱力学は抽象的なところがあり、予習、復習と問題を解く事、この3つがそろって、初めて「やれそうな気がする」ようになるものです。食わず嫌いにならないように。また、3年次の電気化学工学の基礎ですからしっかり身に付けることを薦めます。

 

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