電気工学概論（Introduction to Electrical Engineering）[2360]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

　化学技術者にも必要な電気・電子工学の基礎を初歩から学びます。今日、化学領域において様々な計測機器が利用されているが、それらの大部分は高度に発達したエレクトロニクス技術を駆使してつくられています。本科目を履修することにより、電気回路の基本計算や電気・電子回路素子の性能からトランジスタ回路や演算増幅器の動作が理解できるようになります。また、電気的測定技術は化学計測の実際に役立つことができます。
　以下に具体的な達成目標を示します。
　１）静電気に関する諸法則及び働きを理解し、その応用について学ぶ。
　２）電磁気に関する諸法則を理解し、どのように応用されているかを学ぶ。
　３）電気回路に関する諸法則を理解し、基本的な電気回路の計算が出来るようにする。
　４）インピーダンスとアドミタンスの概念について理解する。
　５）複素ベクトルの概念について学び、電気工学でどのような使われ方をしているか理解する。
　６）電導体や半導体、誘電体や磁性体等について学び、それらの利用や応用について
　　　理解を深める。
　７）なぜ電子回路が必要か、どのような回路があるのか、その動作原理を理解し
　　　必要に応じて使用できるようにする。
　８）計測器の動作原理およびその使用方法を理解し、的確に使用できるようにする。

＜授業計画及び準備学習＞

第１週．ガイダンス。基礎電気現象として、電荷とそれらの間に働くクーロン力について学ぶ。
　　　電流とオームの法則、ファラディーの法則およびビオサバールの法則について学び、
　　　磁気現象について理解を深める。

第２週．〃

第３週．電気回路の法則である、キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理について学び、
　　　理解を深める。静電容量やインダクタンスで構成されるリアクタンス素子の性質及び
　　　それらに蓄えられるエネルギー等について学ぶ。

第４週．〃

第５週．交流電圧・電流と回路素子について学び、正弦波交流の扱い及び
　　　電力について理解を深める。

第６週．〃

第７週．複素数の扱いと複素ベクトルの計算法について学び、何のために記号法を使うか理解する。

第８週．インピーダンスとアドミタンスの取り扱い方と、それらの周波数特性について学ぶ。
　　　平衡三相交流の性質及び特徴を理解し、それらの応用について学ぶ。

第９週．〃

第10週．電導体や半導体物質の性質及びそれらの利用や応用について学ぶ。
　　　絶縁体や磁性体等の性質から誘電体としての利用、及び磁性体の性質と利用について学ぶ。

第11週．ダイオードやトランジスタ等の電子回路用能動素子の性質を理解し、
　　　基本的な取り扱い方を学ぶ。サイリスタ、IGBTや集積回路等の制御回路素子及び
　　　半導体集積回路について理解を深め、それらを動作させる回路素子の特性について学ぶ。

第12週．電子工学と電子回路の全般について説明をし、さらに個々の機能回路（整流回路、
　　　増幅回路、発振回路等）について学ぶ。
　　　さらにディジタル回路及び電子計算機の概要 について理解を深める。

第13週．電気諸量のうち基本的な電圧・電流・電力の測定及びインピーダンスの測定法
　　　について学ぶ。さらに高周波の電圧・電流・電力の測定方法について理解を深める。

第14週．ディジタル計測器の概念について学び、波形の観測と記録方法について理解をし、
　　　センサやリモートセンシングについて理解を深める。

＜成績評価方法及び水準＞

　基礎力ならびに応用力がついたかどうかを、原則として定期試験によって成績を評価し、６０点以上の者に単位を認める。
ただし、試験の点数が５０点以上６０点未満の者で、演習および宿題の内容が十分であると認められる場合は、レポート提出を認め、レポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を６０点とする。

＜教科書＞

「電気・電子工学概論」　押本　愛之助・岡崎　彰夫　共著（森北出版）

＜参考書＞

「電気理論」　池田　哲夫著　（森北出版）
「エース　電気工学基礎論」　河野　照哉著（朝倉書店）

＜オフィスアワー＞

火曜日　１４：５０〜１５：４０まで

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