2009年度工学院大学 第1部応用化学科
△芸術と社会I(Art and Its Social Aspects I)[4B09]
2単位 梅津 紀雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 西洋音楽(クラシック音楽)は、私たちの生活の中に、特にCMやバラエティ番組を通じて、深く浸透していますが、それらの音楽は多くの場合、クラシック音楽として意識して聞かれていません。この授業ではすでに知っている知識を活かしながら、それらに改めて意識して耳を傾けて、西洋音楽の歴史を概観していきたいと思います。
特に重点を置きたいのは、西洋音楽の歴史そのものがどのように形成されてきたのかを、音楽と社会、政治(権力)、メディアとの関係から検討することです。それらを通じて、今日の音楽的状況を浮かび上がらせるとともに、一般に歴史を記述することの意味を考えていくことも目標にしていきたいと思います。
- <授業計画及び準備学習>
- トピックを以下に掲げます。
1. 中世・ルネサンス グレゴリオ聖歌、ノートルダム楽派、フランドル楽派 2. バロック バッハ、ヘンデル、モンテヴェルディ 3. 古典派 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン 4. ロマン派(1)ピアノとオペラ、文学 ウェーバー、ショパン 5. ロマン派(2)標題音楽、総合芸術、ナショナリズム リスト、ベルリオーズ、ヴァーグナー 6. 古典バレエの音楽 チャイコフスキー《白鳥の湖》、《くるみ割り人形》 7. 世紀末初頭 マーラー、スクリャービン 8. 両大戦間:新ウィーン楽派、新古典主義 シェーンベルク、ヴィシネグラツキー、ヒンデミット 9. ロシア・バレエ団 ボロディン《イーゴリ公》、ストラヴィンスキー 10. 全体主義と音楽 ショスタコーヴィチ 11. 現代(戦後) トーン・クラスター、ミニマル・ミュージック、偶然性
詳しくは初回の授業で提示します。 また、リアルタイムで起こった出来事に対して何らかの応答を行うために、修正を加えることがあります。
- <成績評価方法及び水準>
- 成績は、平常点40%、教場レポート60%の配分で評価します。
毎回感想や意見をレスポンスカードに書いて提出していただき、それにより平常点をつけます(出席点はありません)。 教場レポートは試験期間に教室でレポートを書いていただくものです。毎回のレスポンスカードの積み重ねがよいレポートに結実します。
- <教科書>
- 特に使用しません。毎回プリントを配布します。
- <参考書>
- 講義中に指示します。
- <オフィスアワー>
- 授業開始前・終了後、教室または兼任講師室で。
- <学生へのメッセージ>
- 総合文化科目は、必ずしも知識の習得それ自体を目標とするものではありません。
授業で出される問いには、必ずしも、単一の答えが用意されているとは限りません。それは、皆さんが社会に出て直面する問題において、単一の答えを簡単に導き出せるとは限らないのと同じです。 この授業が、みなさんがそうした問いに直面したときに、自分なりの判断が下せるよう訓練する場になることを願っています。
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