2009年度工学院大学 第1部応用化学科
生物学I(General Biology I)[6551]
2単位 鈴木 基文 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 生物学は今や生命科学という総合科学に発展し、その基盤は20世紀後半に興隆した分子生物学である。生命(生命体)すなわち生物は細胞からなり、その細胞は無生命の化学物質(分子)からできている。本授業では、生命の歴史について学んでから、生命の本質的分子である遺伝子DNAを中心にした「DNAと細胞」をテーマにして、細胞を構成する種々の生体分子について学び、細胞の構造と機能について分子レベルで理解できるようにする。達成目標は以下の通りである。(1)生命の歴史を理解する。(2)生体分子の化学構造と機能を理解する。(3)原核細胞と真核細胞の違いおよびオルガネラの構造と機能を理解する。(4)細胞の増殖や分化について細胞周期、アポトーシス、がん化と関連させて分子レベルで理解する。(5)生態系の物質循環を踏まえて、細胞の物質代謝とエネルギー代謝の基本を理解する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. [はじめに] 自然史(自然誌)、生物学の歴史、分子生物学の誕生から生命科学への発展について学ぶ。
2. [生命の歴史(1)] 分子から細胞へ、そして生命の誕生について学ぶ。 3. [生命の歴史(2)] 生物進化、ヒトの進化について学ぶ。 4. [生体分子(1)] 核酸(DNA、RNA)およびタンパク質の化学構造およびその生物学的意義について学ぶ。 5. [生体分子(2)] 脂質と糖鎖の化学構造およびその生物学的意義について学ぶ。 6. [細胞(1)] 原核細胞と真核細胞およびオルガネラの構造と機能について学ぶ。 7. [細胞(2)] 細胞の生存、増殖および細胞周期について学ぶ。 8. [細胞(3)] 細胞の分化について学ぶ。 9. [細胞(4)] 細胞のアポトーシスについて学ぶ。 10. [細胞(5)] 細胞のがん化について学ぶ。 11. [代謝(1)] 生体触媒の酵素と機能およびエネルギー代謝の通貨であるATPについて学ぶ。 12. [代謝(2)] 糖代謝、呼吸および光合成について学ぶ。 13. [代謝(3)] 生態系における炭素循環および窒素循環について学ぶ。 14. [まとめ] 生命のセントラルドグマおよび生物多様性について学ぶ。 15. [定期試験] 試験によって学習成果の確認を行う。
- <成績評価方法及び水準>
- 理解度をみるための中間テスト(1回)(レポート形式で、問題用紙配布後、指定した日に答案を提出する)および定期試験の結果を総合的(原則として中間テスト3:定期試験7の割合)に評価し、60点以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 「生命科学入門」、東京教学社 (丸山工作、丸山 敬 著)
- <参考書>
- 「視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録」鈴木孝仁監修 (数研出版)
「三訂版 新しい生物学」丸山工作著 (培風館) 「生命の化学と分子生物学」林利彦・水野一乗訳 (東京化学同人)
- <オフィスアワー>
- 質問は授業終了後、教室で。
- <学生へのメッセージ>
- 有名な科学者の伝記や科学の啓蒙書をぜひ読んでください。
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