2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科
都市文化研究(Cultural Studies on City)[4503]
2単位 吉田 司雄 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- この科目は教員が講義するのではなく、学生たちが自らの関心と興味でテーマを選び、とことん調査分析し、その結果をいわば教師役を演じるかたちで報告し合ってゆくという授業である。もともとは新宿校舎で開講され、例年「新宿」を共通テーマとして行われてきたが、近年は八王子にもキャンパスのある工学院大学の特色を考え、隔年毎に新宿・八王子交互に開講することにした。奇数年で八王子校舎開講となる本年度は「八王子」(もう少し広げて「多摩」地区全域)を中心に、「郊外」の問題を主に取り上げることとしたい。古墳時代から現代までの「多摩」地域の歴史的変遷を押さえつつ、文学や映画など様々なものを糸口として、この「郊外」空間の特質を掘り下げてみたいという受講生の参加を期待する。
最初にも述べたように、この授業の主役は教員ではなく受講生一人一人である。毎回報告担当者を決め、自分の選んだテーマについて口頭で発表してもらう。またゼミ形式を採り、参加者全員に毎回必ず発言してもらう。自分の関心に沿って、自らの手で調べ考え、選んだテーマを掘り下げてゆく調査力分析力をつけること、そして他の人の発表にきちんと耳を傾けることで、自らの関心を広げ、対話的批評的に発言する能力を培うことが目標である。 従って受講者には他の参加者の期待に十二分に応えられるところまで、きちんと調べ、自分の考えをまとめ、わかりやすいレジュメを作成する努力と熱意とが絶対に要求される。以下に、授業計画の中で幾つかのテーマを参考例としてあげておくが、参加者はこれにしばられる必要はない。
- <授業計画及び準備学習>
- 1 授業の方法、発表準備の仕方のガイダンス
2 基礎知識の確認、発表準備の実際(例:八王子の歴史) 3 学生の発表と討議(例:八王子の遺跡) 4 学生の発表と討議(例:八王子の伝説) 5 学生の発表と討議(例:八王子の交通) 6 実地踏査(八王子城など八王子周辺の史跡散策) 7 学生の発表と討議(例:「郊外」の文学) 8 学生の発表と討議(例:「郊外」の映画) 9 学生の発表と討議(例:都市計画と「郊外」) 10 学生の発表と討議(例:環境問題と「郊外」) 11 学生の発表と討議(例:中央線と京王線、鉄道ライバル史) 12 学生の発表と討議(例:多摩動物園の歴史と特徴) 13 学生の発表と討議(例:なぜ日野には自動車工場があるのか) 14 学生の発表と討議(例:なぜ府中には競馬場があるのか) 15 学生の発表と討議(例:八王子学園都市と工学院大学の未来像)
- <成績評価方法及び水準>
- どれだけきちんと準備をし、どれだけ充実した内容の発表を行ったかが、成績評価をするにあたっての中心。とはいえ、発表の出来不出来だけでなく、ゼミへの貢献度(積極的に発言したか等)から総合的に評価し、60点以上の者に単位を認める。発表のウェイトは8割。また、欠席は原則として認めない。よって、たとえ自分の担当回だけ出席しても単位修得はできない。
- <参考書>
- これを自らみつける力をつけることが授業目的の一つである。
- <オフィスアワー>
- 新宿校舎2772研究室 月12:30〜13:00
それ以外は教員に直接たずねること。
- <学生へのメッセージ>
- 参加希望者にはA4サイズにまとめた「研究計画書」を第2回目の授業時にまず提出してもらう。詳しくは第1回目の授業の時に説明するので、必ず出席すること。第2回目以降からの参加は原則として認めない。また、いいかげんな「計画書」しか用意できなかった学生の登録も認めない。人数が多い場合は受講者数の制限をする。第1回目の授業時、その場で何を研究したいかをできるだけ具体的に書いてもらい、はっきりと意欲のみられる学生から順に受講を許可する。従って、参加希望者は第1回目の授業に出席するにあたって、何をやりたいのかをきちんと考えておくこと。
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