2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科

複素関数論(Elementary Complex Function)[4E17]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
江澤 潤一 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 
 複素関数論について学ぶ。複素数は実軸と虚軸をもつ2次元複素平面上の点として表現される。我々が自然界で出会う量は全て実数や実関数であるが、実関数を複素関数に拡張することにより豊かな世界が広がり,そこから実関数を眺めると新たなものが見えてくる。複素関数論自身の数学的美しさもさることながら、それ自体が流体力学や電磁気学の理解に欠かせない。さらに種々の応用できる数学はすべて複素関数論に基礎づけられていると言っても過言ではない。モノクロからカラーTVへの転換にも匹敵する視点の転換を味わえるだろう。

<授業計画及び準備学習>

1. 複素数
2. 複素関数
3. 初等関数、初等関数による写像
4. 初等関数の微分、正則関数とCauchy-Riemann条件
5. 複素関数の積分、複素積分の性質
6. Cauchyの積分定理
7. Cauchyの積分定理の応用 
8. Cauchyの積分公式 
9. 正則関数のTaylor展開   
10. 孤立特異点、極と留数  
11. 留数定理、積分計算への応用
12. Laurent展開
13. 複素関数とポテンシャル論
14. 定期試験

<成績評価方法及び水準>
1)適宜、演習問題を出し、宿題として解答レポートの提出を求める。
2)上記1)のレポートは、計50点満点で評価し、これをA点とする。
3)定期試験は100点満点で評価し、これをF点とする。
4)最終評価点Xは、X=F+R*A とする。係数Rは、Fが50点以下のとき R=1、それ以上
では漸減し、F=100 では、R=0 である。X が60点以上の者を合格とする。

<教科書>

特になし。必要な場合は,プリントを配布する予定。

<参考書>

「複素関数概説」今吉洋一(サイエンス社)
その他、講義の中で必要に応じて指示する。

<オフィスアワー>

木曜日17:50-18:10講師室

<学生へのメッセージ>

1.自分の手を動かして,数多くの例を計算してみることが重要である。なるべく具体的な応用例を取り上げるので,労を惜しまず勉強すること。
2.演習の時間がとれないので、ホームワークとして演習問題を解いてもらう。
3.理解にはステップを踏む必要があるため、1,2をきちんと行って、各回の授業内容を体得することが肝要。

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2009 Kogakuin University. All Rights Reserved.