2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科
材料強度学(Advanced Strength of Materials)[4B14]
2単位 丹羽 直毅 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 実際に機械装置を設計するには、材料と寸法・形を決める必要がある。材料が、材料力学で扱われているように均質な理想的なものであるとすれば、よく世間で問題となる「疲労破壊」による事故などは起きないはずである。実際の材料は、複雑な微細構造を持っており、この微細構造が変わると材料の特性は大きく変わってしまう。将来の機械技術者として、強度・靭性など力学的特性値の材料学的な意味を理解する。設計の際に適切な材料選択を行えるようになるための基礎的知識を得ること。簡単な設計例において、材料の選択が行えるようになること。
(JABEE 機械システム基礎工学プログラムの学習・教育目標)D-1:◎ (JABEE 基本キーワード)材料の力学的性質、工業材料の種類、工業材料の性質、性能評価 (JBBEE 個別キーワード)応力と歪み、機能による分類、力学的性質、材料試験法
- <授業計画及び準備学習>
- 1:「材料強度学」と機械系エンジニアの関わり。
2:外力の種類(引っ張り、圧縮、曲げ、ねじり、静水圧、2軸引張り)、応力(垂直応力、剪断応力)、ひずみ(公称引張りひずみ、剪断ひずみ、ポアッソン比)SI単位の確認 3:材料試験法概説 4:許容応力設計(基準応力、許容応力、設計応力) 5:材料の種類と特性の概説 6:設計を支配する材料特性 7:引張り変形における応力歪み曲線の材料学的意味 8:材料の強化機構 9:疲労のメカニズムと疲労強度 10:クリープのメカニズムと高温特性 11:湿食のメカニズムとSCC(応力腐食割れ) 12:実用材料の強度と破壊 金属材料、セラミックス、ガラス、ポリマー、複合材料 13:設計と材料 14:講義内容の総括 15:定期試験
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験において成績の評価を行い、60点以上の者を合格とする。
- <教科書>
- 無し。
- <参考書>
- 「強さのおはなし」(森口繁一、日本規格協会)材料強度学に重点が置かれた本ではないが、工業力学−材料力学−材料強度学の関係が理解できる良い本。
「材料工学入門」(M.F.Ashby&D.R.H.Jones、内田老鶴圃)良い本であるが高価なのが難点。 「基礎材料強度学」(三村宏、町田進、培風館) 「材料強さ学」(町田輝史、オーム社)
- <オフィスアワー>
- 月曜17時〜19時
- <学生へのメッセージ>
- 将来機械設計を目指す人は、材料の活用ための基礎知識は必要不可欠である。
「まとめ」の作成 講義時間の残り10分ほどを利用し、その日の講義の要約、質問事項を「まとめ」にして、提出していただきます。「まとめ」は、講義に出席したかどうかの確認ではなく、まとめを書くことにより理解できた事柄、理解できなかった事柄を自分で認識し、理解できなかったことは質問として、教員との間で情報交換のツールとしてより講義内容を理解していただくためにも活用します。白紙の人は、その回の講義では何も得なかったことになります。 学期末最後の講義前に「講義の全内容の要約」を提出していただき、それに基づき最終回に全体を総括。
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