2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○機械システム設計総合演習(Comprehensive Design and Exercises of Mechanical Systems)[3B07]
2単位 丹羽 直毅 教授 [ 教員業績 JP EN ] 松岡 文雄 非常勤講師 小林 光男 教授 [ 教員業績 JP EN ] 播田 光行 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 機械システムを理解し、機械システムを構成する上で必要な総合的デザイン能力と創造能力を養成する。そのために、複数の教員から広い分野にわたる機械・機械システム装置などの機能解析と設計手法を学ぶ。システムを理解した後、機械要素、機械装置などに働く力、材料の特性、強度、作動流体の物性値などを考慮して、各課題に沿った設計演習を行う。この演習で機械システムとは何か、どのような事柄を考慮してシステム設計を行えばよいかなどを理解する。また、この授業の中で技術レポートの作成能力の向上も図る。
(JABEE学習・教育目標) 「機械システム基礎工学プログラム」:(E)◎、(D)○、(F)○ (JABEEキーワード) 「機械システム基礎工学プログラム」:分析力・統合化力、材料の力学的特性、メカニズム、エレクトロニクス、熱力学、環境装置 (JABEEキーワード) 「機械システム基礎工学プログラム」:応力とひずみ、運動伝達機構、アクチュエータ、熱機関と熱サイクル (前提となる基礎知識と修得後の展開) 本科目の履修者は物理学、化学、数学、工業力学、材料力学、機械力学、制御工学などの基礎科目を履修している必要がある。また、この科目を履修することにより、機械システムとは何か、そして機械システムを設計するにはどのような視点が必要かなどの分析力・統合化力、デザイン力が養われる。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回目のガイダンスにおいて、グループ編成・日程の確認、受講の注意をおこなう。授業はクラス(グループ)編成により行い、各クラスは6コマ(2コマ×3週)を1区切りとして以下の課題に取り組む。前半および後半の2つの課題を終えた時点で、学習内容の総括をおこない学習内容の十分な習得を図る。
・機械設計に必要な基礎知識の確認を行う。 ・ねじ締結体の強度設計(小林光男担当) 機械を構成するために必要不可欠である締結技術を習得して、いくつかのねじ締結体モデルについて設計を行う。内容は締結技術の概要とねじの歴史、ねじの力学とねじの締付け、外力を受けるねじ締結体の軸力挙動、ねじ締結体の設計である。 ・ 設計の際の材料選択(丹羽直毅担当) 簡単な設計対象に関し、要求される機能・条件を考慮し、材料に求められる特性を明らかにし、多くの材料の中から適した材料の選択を行う。 ・ 自動車の防振設計(播田光行担当) 防振のメカニズムを理解した上で、自動車のエンジン系、ステアリング系等を簡単な振動系に置き換えて、その防振設計を行う。演習課題3テーマをレポートにまとめて提出する。 ・ ヒートポンプ(蒸気圧縮式冷凍サイクル)の概念設計(松岡文雄担当) 熱サイクルとして近年、性能が格段に向上しつつあるヒートポンプシステムを取り上げその機能を理解した上で、COP計算と性能シミュレーションを行い、システムの概念設計を行なう。講義の中で簡単な演習を行う他、最終レポート課題を与える。
- <成績評価方法及び水準>
- 以下に示す各課題ごとの成績を出し、その平均点を評価点とする。よって、60点以上を合格とする。ただし、1テーマでも受講できなかった場合は不合格となる。
・ねじ締結体の強度設計 中間レポート、最終レポートで評価する。 ・ 設計の際の材料選択 3回のレポートで評価する。 ・ 自動車の防振設計 初回レポート(30%)、中間レポート(40%)、最終レポート(30%)の割合で評価する。 ・ ヒートポンプシステムの概念設計 各時限ごとの最後の小テスト(10点満点×6回=60点)+最終テスト(40点)により合計100点満点で総合的に判断する。 各テーマの平均で成績を評価する。 「機械システム基礎工学プログラム」の学習教育目標E、Dは上記の基準を満たせば達成される。
- <教科書>
- 「機械システム設計総合演習テキスト」:プリントを用いる。
- <参考書>
- 材料力学、基礎機械システム設計など既習の教科書などを見直しておく。
- <オフィスアワー>
- 各担当教員によって異なるので確認のこと。メールでの対応も可能。
小林:at73299@ns.kogakuin.ac.jp 丹羽:niwa@cc.kogakuin.ac.jp 播田:harita29@hotmail.co.jp 松岡:matsuoka@k.u-tokyo.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 各テーマとも広範囲の内容を含むため、予習、復習を十分に行なうこと。また、毎回、電卓は必ず持参すること。
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