2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△工業熱力学(Engineering Thermodynamics)[2D02]
2単位 小西 奎二 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 熱力学は,対象とする系と周囲や環境に分けて,巨視的立場から熱や仕事(動力)およびエネルギーの出入り・変換の相互関係を科学として体系づけたものである.熱を物理量の一つとして捉え,一番身近な事象から出発して,周囲(環境)にどのような影響を与えるかについて考察する.最近の環境問題にも大きな関わりを持つ基本となる学問分野である.授業では主として気体を対象とし,熱を加えたりあるいは取り去る,とどの様な物理的変化が起きるかを理解し,それを応用した身近なエンジンなどの仕組みについて学ぶ.
具体的な学習の達成目標は以下の通りである. (1) 熱に関連した単位を理解すること.(2) 熱力学の第一法則,第二法則を理解し,それによって現象を理解し応用できること.(3) 気体の状態変化を理解し,それを利用した工学現象の解析ができること.(4) カルノーサイクルを始めとした熱機関サイクルの基本を理解し,エネルギー変換に伴う種々の問題を考察・解明できる力を養うこと. (JABEE機械システム基礎工学プログラムの学習・教育目標)D-1:◎ (JABEE 基本キーワード) 熱力学 (JABEE 個別キーワード) 熱力学の法則,熱機関と熱サイクル,熱伝導,状態方程式 (前提となる基礎知識と習得後の展開)本科目を履修する前に「数学I」,「同II」,「物理学I」,「同II」,「流体力学」を履修しておくこと.本科目の習得後は,「機械システム設計総合演習」,「航空宇宙工学」,「自動車工学」および卒業研究などの専門科目を履修することができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 1)熱力学概説と学び方,熱力学で用いる単位系.温度,仕事,熱量.
2)熱力学の第一法則,平衡と状態量,内部エネルギーとエンタルピー 3)理想気体1 状態方程式,内部エネルギー 4)理想気体2 等温変化,等圧変化 5)理想気体3 等容変化,断熱変化,ポリトロープ変化,(混合気体). 6)熱力学の第二法則と熱機関,)熱機関と熱サイクル概論 7)例題演習1,2 8)エネルギーの形態と変換およびガスサイクル,熱効率,カルノーサイクル,エントロピー. 9) オットーサイクル 10)ディーゼルサイクル 11)ガスタ−ビンサイクル 12 蒸気と蒸気線図 13)湿り空気,空気調和 14)気体の流動,流れの基礎式 15 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法及び水準>
- (1) 例題演習(30%),(2) 期末テスト(70%)の割合で評価し,総合点が60点以上を合格とする.ただし授業欠席が4回以上の者は原則として不合格とする.
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標 D-1は,上記の基準を満たせば達成される.
- <教科書>
- 「機械技術者のための熱力学」熱力学教育研究会編、産業図書
- <参考書>
- 特になし
- <オフィスアワー>
- 本授業および火曜日2時限「ガスタ−ビン」終了後を30分程度をオフィスアワーとするが、メールでも対応する.メールアドレス:koni-greengables@ttv.ne.jp
- <学生へのメッセージ>
- 講義を聴いて理解した気分になっても中々実力は付かない.億劫がらずにこまめに演習問題を解いて理解を深めてほしい.予習・復習は必須である.
遅刻は厳禁とする.
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2009 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|