2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科

電気工学I(Electrical Engineering I)[1C01]

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2単位
仲神 芳武 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 今日の電気の利用は広範囲に渉っていて、自然科学や工学を学ぶ人はどんな専攻であっても電気工学についての基礎知識が必要となっている。電気に関する基礎概念や原理を理解しておけば、多くに分化した電気の応用分野でも、必要に応じて専門書を開いて自ら学ぶことができ、新しい応用分野の道を開くことができる。
 以下に具体的な達成目標を示す。
1)静電気に関する諸法則及び働きを理解し、その応用について学ぶ。
2)電磁気に関する諸法則を理解し、どのように応用されているかを学ぶ。
3)電気回路に関する諸法則を理解し、基本的な電気回路の計算が出来るようにする。
4)インピーダンスとアドミタンスの概念について理解する。
5)複素ベクトルの概念について学び、電気工学でどのような使われ方をしているか理解する。
6)電導体や半導体、誘電体や磁性体等について学び、それらの利用や応用について理解を深める。
 以上の基礎概念や原理が電気・電子工学の分野でどのように利用され、応用されているかについて説明し、電気に関する理解を深めさせる。
(JABEE学習・教育目標)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(C)◎,(D)○
 「機械システム基礎工学プログラム」:(C)◎
(JABEEキーワード)
 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:エレクトロニクス
 「機械システム基礎工学プログラム」:電磁気学、アナログ・ディジタル回路、アクチュエータ、センサ
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に、「電気数学」の基礎知識を履修、習得する必要がある。本科目習得後は、電気・電子応用分野(電気機器、電子機械)の知識の習得を行うことができる。

<授業計画及び準備学習>
第1週.ガイダンス。基礎電気現象として、電荷とそれらの間に働くクーロン力について学ぶ。

第2週.電流とオームの法則、ファラディーの法則およびビオサバールの法則について学び、
    磁気現象について理解を深める。

第3週.電気回路の法則であるキルヒホッフの法則、および重ねの理、テブナンの定理、ミルマン
    の定理について学び、理解を深める。

第4週.静電容量やインダクタンスで構成されるリアクタンス素子の性質及びそれらに蓄えられる
    エネルギー等について学ぶ。

第5週。過渡現象がR-C回路やR-L回路で起こることを学び、過渡現象およびこのとき流れる過渡
    電流について理解する。

第6週.交流電圧・電流と回路素子について学び、正弦波交流の扱い及び電力について
    理解を深める。

第7週.複素数の扱いと複素ベクトルの計算法について学ぶ。

第8週.インピーダンスとアドミタンスの取り扱い方と、それらの周波数特性について学ぶ。

第9週.平衡三相交流の性質及び特徴を理解し、それらの応用について学ぶ。

第10週.電導体や半導体物質の性質及びそれらの利用や応用について学ぶ。

第11週.絶縁体や磁性体等の性質から誘電体としての利用、及び磁性体の性質と利用に
    ついて学ぶ。

第12週.ダイオードやトランジスタ等の電子回路用能動素子の性質を理解し、基本的な
    取り扱い方を学ぶ。

第13週.サイリスタ、IGBTや集積回路等の制御回路素子及び半導体集積回路の構造を
    理解し、それらを動作させる回路素子の特質について学ぶ。

第14週.電気機器や電子機器のエネルギー源である電池の種類やそれらの特質を学ぶ。

<成績評価方法及び水準>
 基礎力ならびに応用力がついたかどうかを、原則として定期試験によって成績を評価し、60点以上の者に単位を認める。
ただし、試験の点数が50点以上60点未満の者で、演習および宿題の内容が十分であると認められる場合は、レポート提出を認め、レポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。

<教科書>
「電気・電子工学概論」 押本 愛之助・岡崎 彰夫 共著(森北出版)

<参考書>
「電気理論」 池田 哲夫著 (森北出版)
「エース 電気工学基礎論」 河野 照哉著(朝倉書店)

<オフィスアワー>
月曜日 14:40〜15:30まで。

 

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