2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△化学実験(Experiments in Chemistry)[5305]
1単位 河野 博之 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 一般教養として基礎的な化学の実験を通じ、化学理論を実験により検証し、化学変化を観察する。その上で化学の基本的素養を身につけた科学的に広い視点から物事を思慮できる人格の形成を目指す。
以下に具体的な達成目標を示す。 1)無機陽イオンの分離・確認を通して定性分析の基本を理解する。 2)中和滴定操作を通して定量分析の基本を理解する。 3)我々の身近に存在する水を精製する方法とその純度評価方法を理解する。 4)高分子有機化合物を合成し、重合の概念を理解する。 5)実験レポートと実験ポートフォリオの作成を通して、現象の観察と記述、実験データの解釈、結果の評価と報告についての基本を身につける。
(JABEE学習・教育目標) 「機械システム基礎工学プログラム」:(C)◎、(E)○、(F)○
(JABEEキーワード) 「機械システム基礎工学プログラム」:化学、多面的視点、資料作成力
(前提となる基礎知識と修得後の展開) 本科目の履修の前提となる知識・科目は特にないが、化学を得意としない学生は、授業の進行に応じて必要な基礎知識の修得に努めてほしい。さらに本科目で習得した内容の理論的背景を2年の「化学I・II」で履修することが望ましい。また、本科目で化学の基本的素養を習得することは、今後の専門科目の履修ばかりでなく工学全分野で有用である。
- <授業計画及び準備学習>
- 高校で化学を十分学習していない学生に配慮し、高校化学程度の初歩的な内容から始める。実験はほとんど個人で実験で行う。実験テーマは、定性分析を主とし、未知試料の定性実験、初歩的な定量分析実験を行ない、さらに2〜3の物理化学実験、合成実験を行なう。他クラスとの進度の調整のため、以下の実験内容と順序は、やむを得ず変更あるいは省略になることがある。
第1週:実験を行なうにあたっての注意・ガイダンス。 第2週:無機陽イオン各個別反応1。 第3週:無機陽イオン各個別反応2。 第4週:第一属陽イオン混合試料の分析。 第5週:第三属陽イオン混合試料の分析。 第6週:第一属・第三属混合試料の分析。 第7週:第一属・第三属未知試料の分析。 第8週:酸塩基指示薬の呈色反応。 第9週:酸の0.1規定アルカリ標準液による定量。 第10週:市販食酢中の酢酸成分の定量。 第11週:硫酸銅の合成と再結晶。 第12週:蒸留水の製造と比抵抗率測定。 第13週:ナイロンの合成実験 第14週:まとめ実験。
- <成績評価方法及び水準>
- 実験・実習系の科目であるので、毎回の出席と全てのレポート提出を評価の前提とする。基本点を50点とし、欠席・遅刻・レポート未提出などは基本点の減点対象とする。さらに毎回のレポート内容を5点満点で評価し、その総得点を50点満点に規格化して基本点に加点する。成績はそれらの合計点で評価する。評価法の詳細は最初の授業の際に説明する。
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標(C)(E)(F)は、上記の基準を満たせば、達成される。
- <教科書>
- 教材はプリントを使用する。
- <参考書>
- 「化学実験 第3版」東京大学教養学部化学教室化学教育研究会編 東京大学出版会
「フォトサイエンス 化学図録」数研出版 「ダイナミックワイド 図説化学」東京書籍
- <オフィスアワー>
- 特に指定しない。実験中および研究室在室中(八王子4号館4-105号室)は、質問を歓迎する。但し、常に研究室に在室しているとは限らないのでE-mailを利用するか、来室を事前に連絡すること(ft13023@ns.kogakuin.ac.jp)。
- <学生へのメッセージ>
- 安全に注意しつつ、興味を持って主体的に実験に取り組んでほしい。また、化学実験室では立って実験を行なうので、健康に留意し実験に臨んでほしい。実験とレポート作成の一連の作業を通して、自然現象の観察力、現象を統合・整理する能力、論理的文章の構成力などを養い、科学的に広い視点から物事を思慮できるようになってもらいたい。
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