2009年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△倫理学の基礎(Basic Ethics)[1102]
2単位 岡田 大助 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 日本倫理思想史上の主要なテキストを通じて、倫理学の基本的な考え方を学ぶ。
「達成目標」 倫理とは何か、人間とは何か、信頼とは何か、誠実とは何か等、倫理学上の様々な問いに、過去の思想家との対話を通して、自分の言葉で答えられるようにする。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス 「倫理学」とは何か −和辻倫理学を手掛かりに−
2.和辻哲郎の倫理学(1)間柄 3.和辻哲郎の倫理学(2)人間存在の空間性と時間性 4.和辻哲朗の倫理学(3)信頼と真実 5.和辻哲朗の倫理学(4)共同態の諸相 6.伊藤仁斎の倫理学(1)人倫日用の道 7.伊藤仁斎の倫理学(2)仁義と忠信 8.伊藤仁斎の倫理学(3)忠恕 9.伊藤仁斎の倫理学(4)自然 10.親鸞の倫理思想(1)聖道の慈悲と浄土の慈悲〜他者への救済のつまずき 11.親鸞の倫理思想(2)生死無常と愛欲の広海 12.親鸞の倫理思想(3)悪人正気 13.親鸞の倫理思想(4)自然法爾 14. 講義のまとめ 15. 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 「達成目標」に達しているかを問う定期試験(100点)によって成績を評価、60点以上の者に単位を認める。問題は、(1)講義の要約、(2)それに関する問いを立て自分の考えを論述すること、の二点を課す。なお、成績評価の詳細については、第一回目の講義でより具体的に説明するので、必ず出席すること。
- <教科書>
- なし。授業ごとにプリントを配る。
- <参考書>
- 片山洋之助、佐藤正英編『チャート式新倫理』数研出版(導入的な参考書として)
和辻哲郎『人間の学としての倫理学』岩波全書、同『倫理学』(一)(二)岩波文庫 相良亨『伊藤仁斎』ぺりかん社 佐藤正英『親鸞入門』ちくま新書
- <オフィスアワー>
- 授業の前後、教室または講師室にて
- <学生へのメッセージ>
- 倫理学とは、人間とは何かを問うものですが、人間には私が含まれる以上、私とは何かという問いを離れて論じることはできません。したがって、数学的な意味での客観的な解答はなく、皆さん一人一人が主体的に考えなければならない問題です。しかし、学とは対話によって真理を明らかにしてゆくことであり、自ら一人に閉じているものでもありません。本講義で私は、過去の思想家の考えを紹介してゆきます。皆さんは、それと対話することで、自らの考えを深めてもらいたいと思います。
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