2009年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
接合工学(Bonding Technology)[5B01]
2単位 宮坂 勝利 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 接合法は材料加工の中で主要な位置を占め,幅広く活用されている。ここでは各種の溶接・接合法の原理ならびに接合材料と接合法の適合性について説明し,接合法全般の基礎的理解を深める。また,これからの技術者は地球的視点にたち物事を総合的に考える能力が必要となってくるので,接合工学の中でそれらを念頭において講述したい。以下は具体的な達成目標である。
(1)われわれの生活の中で、今まで接合工学はどのような役割を演じてきたか,また,今後はどのよう に使われてゆくだろうかその技術史や背景を理解すること。 (2)材料を溶接・接合するにはどのような方法があるか。目的の性能を引き出すためにはどの方法を使 用したらよいか。 (3)融接,圧接の中でそれぞれを代表するアーク溶接と抵抗溶接について,最新の接合法であるレーザ ー溶接,電子ビーム溶接、摩擦攪拌溶接(FSW)などの特徴,用途などを修得する。 (4)異種材料等の接合法としての拡散接合や超音波溶接,さらに接合部の機械的性質や欠陥などを学び 構造物の破壊事故例についても学ぶ。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回 [機械的接合と冶金的接合]材料を接合するにはどんな方法があるか,機械的接合と冶金的接合 の相違,特徴など溶接・接合の技術史を含めて学ぶ。
第2回[アーク放電の基礎と被覆アーク溶接法]融接法の熱源としてのアーク放電現象の基礎と融接法の 基礎となる被覆アーク溶接法について学ぶ。 第3回[TIG溶接法(非消耗電極溶接)]TIG溶接法についてその原理と特徴,用途などについて学ぶ。 第4回[消耗電極溶接]MIG,MAG,パルス溶接法についてその原理と特徴などを学ぶ。 第5回[プラズマ溶接法]プラズマ溶接法などについてその原理と特徴などを学ぶ。 第6回[高エネルギー密度溶接法]レーザービーム溶接,電子ビーム溶接などの高エネルギー密度の溶接 法とその熱エネルギーの伝達機構について学ぶ。 第7回[特殊溶接法]エレクトロスラグ溶接法など特殊溶接法について学ぶ。 第8回[圧接法]スポット溶接,超音波溶接など代表的な圧接法について学ぶ。 第9回[拡散接合法]拡散接合や水中溶接,宇宙での溶接について学ぶ。 第10回[ろう接の接合機構,異種材料の接合]ろう接の接合機構を学ぎ、併せて金属とセラミック接合 の問題点を学ぶ。。 第11回[溶接冶金の基礎]溶接冶金の基礎となる鉄鋼材料の平衡状態図について学ぶ。 第12回[接合部の機械的性質と欠陥]実際に溶接した場合の非平衡状態について学び,破壊事故例との関係 を学ぶ。また、破壊検査など代表的検査法について学ぶ。 第13回 [溶接設計] 溶接設計法と継ぎ手応力の計算法について学ぶ。 第14回 [溶接施工] 溶接施工に当たっての留意事項について学ぶ 第15回 [学習成果の確認(試験)]
- <成績評価方法及び水準>
- 原則として定期試験で最終成績を評価。60点以上の者には単位を認める。試験の点数が50点以上で60点未満かつ出席が6割以上の者にはレポートの提出を認め、レポートの内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。
「機械工学プログラム」の学習・教育目標(D)および(E)は,上記の評価基準を満たせば,達成される。
- <教科書>
- 溶融加工:田村 博著、森北出版
- <参考書>
- プリント
- <オフィスアワー>
- 金曜日12:30〜14:00 新宿校舎A-1666号室。
- <学生へのメッセージ>
- <学生へのメッセージ>
授業の始めに,前回の授業の簡単なまとめをした上で次の項目に移るので,要点を聞き逃さないよう期待する。
- <参考ホームページアドレス>
- E-mail:at66060@ns.kogakuin.ac.jp
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