2009年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース

材料強度学(Advanced Strength of Materials)[3C02]

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2単位
柴田 浩司 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
機械装置あるいは部品の設計、使用に際しては、材料の力学的特性値を考慮することが必須である。本講義では、金属材料やセラミックスなどの結晶性材料の、主に一軸応力下における力学的材料特性値の決定要因、工学的意味を学び、機械装置あるいは部品の設計、使用において、材料を有効かつ安全に使いこなす素養を習得する。

<授業計画及び準備学習>
1. 結晶塑性の基礎1  <眞応力>-<眞ひずみ>曲線、<弾性>と<塑性>、すべり系
2. 結晶塑性の基礎2  材料の変形と転位、すべり面、すべり方向、せん断変形
3. 結晶塑性の基礎3  <転位>の基本的性質、変形速度と温度の効果
4. 材料の強化機構1  結晶粒の微細化、固溶強化、ひずみ時効
5. 材料の強化機構2  析出・分散強化、複合強化、加工強化
6. 中間試験(これまでの総括と理解の確認)
7. <破壊>の基礎1   延性破壊、脆性破壊、延性-脆性遷移、Griffithの理論
8. <破壊>の基礎2   破面観察(フラクトグラフィー)、破壊の統計的性質
9. <破壊>の基礎3   <破壊力学>、破壊靭性、応力拡大係数、破壊靭性値
10. <疲労> S-N曲線、耐久限度線図、Manson-Coffinの法則、累積損傷則、切り欠き効果、表面効果、
<損傷許容設計>
11. 高温における変形と破壊  <クリープ>、寿命予測、<耐熱材料>
12. 環境破壊      <環境強度>、応力腐食割れ、遅れ破壊、液体脆化
13. 非金属材料の強度と破壊 セラミックス、アモルファス合金、金属間化合物
14. <材料試験法>    引張試験、硬さ試験、衝撃試験、破壊靭性試験、クリープ試験
15. 期末試験(これまでの総括と理解の確認)

<成績評価方法及び水準>
講義のたびに小テストを、数回レポートを課す。配点割合は、(小テスト+レポート)が30点、(中間テスト+期末テスト)が70点(多少変化することもある)。総合点が60点以上を合格とする。ただし、総合点が60点に近い者のうち希望する者にはレポートを課しレポートの成績が良ければ合格とする。

<教科書>
「材料強度学要論 改訂増補」 朝倉書店 小寺沢良一著

<参考書>
「演習 材料強度学入門」 大河出版 砂田久吉著
「材料強度学」 日本材料学会

<オフィスアワー>
講義終了後の30分(講師室)
他に、随時e-mailで対応:kojichiekoshibata@yahoo.co.jp

<学生へのメッセージ>
材料の特性は、材料の使い方で大きく変化します。どんなに優れた材料でも使い方を間違えると、変形したり破壊したりして、事故や故障の原因になってしまいます。この講義を通じて、材料を有効かつ安全、安心に使うための基礎を理解して貰えれば幸いです。

 

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