2009年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
△システム工学(Systems Engineering)[3B71]
2単位 八戸 英夫 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- システム的な考え方は,産官学のあらゆる分野で重要である.まず,システムの基本概念とモデル化の方法について述べ,システムの分析と評価,さらに最適化の方法について学び,それが実社会でどのように応用されているかについて講義する.具体的な達成目標は,以下の通りである.
(1)システム的な考え方を理解し,応用できること (2)システムの形態に応じたモデルが作成できること (3)システムの最適化の考え方を理解し,基本的な最適化問題の解法を習得すること (4)代表的な確率分布を理解すること (5)待ち行列理論を理解し,不規則変動を伴うシステム分析ができること (6)信頼性の意味を理解し,システム設計への応用力を身につけること (7)実際の生産・管理システムにおけるシステム工学の役割を理解できること
(JABEE学習・教育目標)「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(A)○(D)◎(E)○(F)○
(JABEEキーワード)「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:微分積分,確率統計,システム工学,信頼性
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を履修する前に,「数学I」,「数学II」により微分積分学を習得しておく必要がある.本科目は4年次科目のため習得後に直接つながる科目はないが,機械系技術者として活躍するために必要な応用力を身につけることができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 1. システムの定義―システムとは何かについて学ぶ.
2. システム的考え方―システムとは何か,システム的考え方の必要性とその方法について学ぶ. 3. システム工学の歴史―システム工学とは何か,システム工学の歴史と共に考える. 4. システム開発の進め方―技術者倫理を考慮に入れたシステム開発の進め方を学ぶ. 5. モデルの基礎概念―モデルの分類とその役割,評価の考え方について学ぶ. 6. 決定論的モデルI―静的線形モデル,動的線形モデルの紹介,そのモデル化と解法を学ぶ. 7. 決定論的モデルII―静的非線形モデル,動的非線形モデルの紹介,モデル化と解法を学ぶ. 8. 不確実な現象と確率―システムの諸特性を調べるには確率的考察が不可欠で,その概念を学ぶ. 9. 確率分布I―代表的な離散分布について学ぶ. 10.確率分布II―代表的な連続分布について学ぶ. 11. 確率論的モデル―代表的モデルの紹介と応用例について述べる. 12. 簡単な待ち行列モデルを取り上げ,そのモデル化と解法を学ぶ. 13. 様々な待ち行列モデルの紹介と生産管理への応用例などについて述べる. 14. システムの信頼性―信頼性の概念と尺度,安全性について学ぶ. 15. 学習成果の確認 ― 試験
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験が60点以上の者に単位を認める.ただし,正当な理由なく,出席状況やレポート提出状況などが悪いときは減点対象となることがある.
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(A),(D),(E),(F)は上記の評価基準を満たせば,達成される.
- <教科書>
- 特に指定しない.
※講義ノートが教科書となります.
- <参考書>
- 「システム工学」中村義作編著(オーム社)
「システム工学」近藤次郎著(丸善) ※講義に出席していれば必ずしも購入の必要はない.
- <オフィスアワー>
- 水曜日3時限目の授業終了後20分間,八王子キャンパス講師室にて
- <学生へのメッセージ>
- これからの機械系技術者にとってシステム工学の知識は必要不可欠です.さらに,将来どのような業種,職種に就いてもシステム的な考え方とシステム工学の各種手法が役に立ちます.なお,高校や大学1年次に習った数学の復習が重要です.
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