2009年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
△エンジンシステム(Engine Systems)[5B02]
2単位 田中 淳弥 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- エンジンの設計・計画では,構成要素の機能を詳しく研究し高性能化を図るとともに,システム全体を最適なものにすることが大切であることを学ぶ。さらに、「Trade-off」の関係にある特性を,整合させることの重要性も学ぶ。このとき役立つ基礎知識を確実に身に付ける。具体的な達成目標は、以下の7項目を理解することにある。
(1)ディーゼルエンジンの噴射システムにおける衝撃波とキャビテーションおよび燃料噴霧の蒸発拡散(物質伝達)現象の理解。 (2)ディーゼルエンジンの燃焼解析、熱力学第一法則に基づく熱発生率の計算と窒素酸化物や粒子状物質を生成する反応性流れと反応計測。 (3)火花点火機関の燃料と供給量.シリンダー内に吸入された空気量と必要燃料量の理解. (4)燃焼室と混合気形成.高い熱効率と低排出物を実現する燃料供給装置や燃焼室の特徴とその組み合わせの理解. (5)火花点火機関の燃焼.正常燃焼における着火遅れと主燃焼期間.異常燃焼の原因とその対策. (7)エンジンCGS(コージェネレーションシステム)におけるエネルギーの形態と変換。+ハイブリッドシステム
(JABEE学習・教育目標) [機械工学エネルギー・デザインプログラム]:(D)◎、(F)○ (JABEEキーワード) [機械工学エネルギー・デザインプログラム]:エネルギー保存則(熱力学第一法則)、設計法、衝撃波、キャビテーション、物質伝達、反応性流れ、反応計測、気体の流動、燃焼反応、トライボロジー、対流熱伝達率、熱交換器、圧縮性流体力学、エネルギーの形態と変換 [前提となる基礎知識と習得後の展開] 「物理学I」、「物理学II」、「化学I」、「化学II」、「流れ学I及演習」、「工業熱力学I及演習」、「内燃機関」、「伝熱工学」、「機械工学設計総合演習」で与えられた知識を持っていることを前提にして講義が計画されている。本科目習得後または並行して、「燃焼工学」、「ガスタービン」、「自動車工学」、「航空宇宙工学」、「環境制御工学」などの関連科目に展開することで、さらなる理解を深めることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ディーゼルエンジンの噴射系システム、噴射装置内の圧力伝播と衝撃波およびキャビテーション
演習課題1 2.燃料微粒化と物質伝達の過程、層流/乱流、噴霧流、運動量の保存の関係から求められる噴霧の ぺネトレーションの計算 演習課題2 3.ディーゼルエンジンの燃焼、指圧線図解析、熱力学第一法則に基づく熱発生率の計算、着火遅れと セタン価、ノック 演習課題3 4.ディーゼルエンジンの排ガス特性と浄化システム、窒素酸化物と粒子状物質の生成機構、 それらの反応計測技術 演習課題4 5. 中間試験 6.エンジン燃料の種類と必要量.燃料成分と理論空気量 演習課題5 7.火花点火機関の燃料供給装置.燃料噴射装置と気化器による空燃比 演習課題6 8.指圧線図と火花点火機関の燃焼.指圧線図と熱発生率,最適点火時期の理解 演習課題7 9.火花点火機関の燃焼.正常燃焼と火炎速度を向上させる方法の理解 演習課題8 10.中間試験 11.火花点火機関の異常燃焼.過早着火,ノックとその回避法 演習課題9 12.火花点火機関の排ガス特性と浄化システム.窒素酸化物と未燃焼炭化水素の生成機構 演習課題10 13.火花点火機関の燃焼室と設計要件.運転条件に適した燃焼室の決定.演習課題11 14.エンジンを中心にしたCGS(コー・ジェネレーション・システム)におけるエネルギーの形態と変換と およびその設計 演習課題10及び総合演習 15.定期試験
- <成績評価方法及び水準>
- 講義中に指示する「演習課題」(講義終了後に自力で考えてくる宿題であり、次の講義のはじめに提出する)および授業の途中で行う「演習」を評価に加味する。この「課題演習」の内容は<授業のねらいと具体的な達成目標>に深く関連しており、単位取得には欠かせない条件になる。総合演習で、復習をした後、最終的に、定期試験による評価を行う。
すべての演習課題を提出し、定期試験が合格すれば、「機械工学プログラム」の学習.教育目標(D)、(F)が達成される。演習課題を40%,定期試験を60%として評価し、合計が60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 「エンジン―熱と流れの工学―」是松孝治、森棟隆昭編著(産業図書)
- <オフィスアワー>
- 随時.メールなど事前連絡あると確実.
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