2009年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース

機械振動学(Mechanical Vibrations)[2B02]

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2単位
大石 久己 准教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 振動は興味深い現象であり,工学においても重要な問題である.機械振動の基礎を十分理解することに重点をおき,CAIを併用した講義・演習を行う.以下に具体的な努力目標を示す.
(1) 1自由度系の運動方程式の求め方と,固有振動数,固有円振動数,周期を理解する.
(2) 減衰要素のある系の解法と,その特性を表す減衰比などの意味を理解する.
(3) 強制的に振動させた場合の応答の求め方を学習し,種々の条件の共振曲線を整理する.また,振動絶縁の対策や振動計の設計について理解する.
(4) 2自由度系の運動方程式のたて方と,固有振動数と振動モードの意味を理解する.
(学習・教育目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」: (D)◎
(キーワード)
運動の法則,自由振動,強制振動,減衰系,過渡応答/衝撃応答,振動絶縁,固有値と固有ベクトル,多自由度振動系
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に,「数学I,II」などにより微分積分学,「物理I,II」「物理学演習I,II」「工業力学及演習I,II」などにより,速度と加速度,質点に働く力と運動法則,剛体の運動,仕事とエネルギー,運動量と力積の基本事項と「機構学」「機械力学」で機械の構造と運動,「微分方程式論」で微分方程式の解法について習得しておく必要がある.また,「制御工学I,II」は関連が深い.
 本科目履修後は,「卒業論文」などの科目で,振動の問題解決に具体的に活かすことになる.

<授業計画及び準備学習>
1:授業のガイダンスと振動の基本事項について学習する.
 努力目標:振動問題の重要性と振動の基本事項(振動数,周期,円振動数)を理解する.
2:自由度,運動方程式の考え方について復習し,減衰がない場合の1自由度の系の自由振動の運動方程式について学習する.また,その解法を示し,振動の特性を示す固有円振動数の意味について学習する.
 努力目標:運動方程式の求め方を理解し,固有円振動数の意味を理解する.
3:外力が作用していない場合のいろいろな1自由度振動系の自由振動の運動方程式を求め,より理解を深める.
 努力目標:いろいろな運動方程式の求め方を身につける.
4:減衰がある場合にどのように運動方程式をたて,解を求めればよいか.また,得られた解の意味について学習する.
 努力目標:減衰がある場合の取り扱いを理解する.
5:減衰要素の特性を表す減衰比,対数減衰率について学習する.
 努力目標:減衰比と対数減衰率の意味と求め方をしっかり身につける.
6:課題の説明と自由振動のまとめ
 努力目標:課題の内容を確認することで,運動方程式の立て方と,減衰の取り扱いについて理解を深める.
7:自由振動のまとめと確認.減衰のない系に周期的な外力が作用する場合の強制振動について学習する.
 努力目標:強制振動の運動方程式と取り扱いについて理解する.
8:減衰がある系に周期的な外力が作用する場合の強制振動について学習する.
 努力目標:減衰がある系の強制振動と共振曲線の意味を理解する.
9:地震などのように床が振動する場合の変位励振による強制振動と,振動が伝わらないようにするための振動絶縁の方法について学習する
 努力目標:変位励振の取り扱いと,応答を力とした場合の考え方を理解する.
10:振動の大きさを計測する振動計の原理について学習する.
 努力目標:振動計の原理を理解し,種々の条件の共振曲線を整理し,理解を深める.
11:質点が複数あるような多自由度系の振動の基礎として,2自由度系の運動方程式の求め方と解法について学習する.
 努力目標:過渡振動の取り扱いを理解する.
12:多自由度系の振動の状態を表す固有円振動数と固有モードについて学習する.
 努力目標:2自由度系の運動方程式の求め方を理解する.
13:機械振動学で学習してきた内容をまとめ,重要な項目について再確認を行う.
 努力目標:授業の内容をまとめ,機械振動の理解を深める.
14:学習した内容を各自整理し,理解を深める.試験用補助用紙を整理する.
 努力目標:機械振動の重要な点を確認し,理解を深める.
15:期末試験

<成績評価方法及び水準>
 中間試験(40点)と期末試験(60%)の合計が60点以上の者に単位を認める.ただし,演習や課題が不十分な場合は減点する.詳しい条件はガイダンスで説明する.
学習・教育目標 (D)は,上記の評価基準を満たせば達成される.

<教科書>
「基礎振動工学」芳村,横山,日野共著(共立出版)

<参考書>
「振動学」北郷,露木共著(森北出版)
「機械システムのダイナミックス入門」CAIプログラム付,日本機械学会編
「機械力学 機構・運動・力学」三浦宏文他著(朝倉書店)

<オフィスアワー>
火曜日授業終了後1時間程度12:10〜13:00(教室または,新宿1772室か1863室).これ以外でも,1772室前の質問用紙(記入例を参考)と掲示による連絡で約束の上,対応可.
E-mail:at21650@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
 前期の「機械力学」の後を受け,振動についてより詳しく扱う科目である.講義科目であるが,演習問題を多く解くことで自分の理解度を確認し,講義内容をしっかり理解するよう努力してもらいたい.特に作業を伴う演習問題を課す予定でいる.必ず自分で行い理解を深めてもらいたい.なお,演習問題の解説にはできるだけ時間をとるようにしたいが,演習の授業ではないので,個々の対応は十分できない.課題が出されたらばすぐに問題を解き,分かったところと,分からなかったところを確認し,次の授業に臨んでもらいたい.更に説明後に改めて問題を見直し,確実に理解するように努力してもらいたい.

 

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