2009年度工学院大学 第1部機械工学科

材料力学及演習I(Exercise of Strength of Materials I)[5352]

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3単位
立野 昌義 教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 “材料力学”とは,材料に作用する力や温度変化とその材料が示す力学的特性(引張・圧縮・せん断応力とひずみの関係)との関係を明らかにし,それらを力学的に体系付ける学問のひとつと位置付けられる.これらの学問分野を基礎にすることにより,考えられる多くの材料の力学的特性を明らかにでき,機械の設計・信頼性および強度の評価に適用できる.
 本授業では,材料を扱う際の基礎的な考え方(公称応力と公称ひずみおよび真応力と真ひずみ,熱応力,衝撃応力,ひずみエネルギー,はりの曲げなど)を体系的に学ぶ.さらに材料設計や技術や安全に関連した例題や演習問題に着手し,材料設計の基本的な考え方を習得する.

(JABEE学習目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(B)○(C)○(D)◎

(JABEEキーワード)
「機械工学プログラム」:引張・圧縮・せん断応力とひずみ(6.0),弾性と塑性(2.0),熱応力(2.0),衝撃応力(0.5),ねじり(3.0), 曲げ(17.0),真応力と真ひずみ(0.5),トラス・ラーメン(2.0),工業材料の性質と機能(1.0),材料試験法(1.0),技術と安全(1.0). 

(前提となる基礎知識と習得後の展開)
本科目を履修する前に, “工業力学及演習I,II”を履修し,力学の基礎になる考え方を習得しておくことが望ましい.本科目習得後には,“材料力学及演習II”により材料に関する力学的特性および強度の取り扱いを体系的に学習することができ,考えられる多くの機械とそれを構成する材料の応力とひずみ挙動が明らかになる.得られた知識は機械の設計および強度評価に応用することが可能になる.“機械設計総合演習”により,材料力学と実際の機械設計の関連を把握でき,デザイン能力の習得を行うことができる.

<授業計画及び準備学習>
1.材料力学とは何か?応力とひずみ
材料力学とは“どんな学問”で“何を学ぶ”のかについて述べる.機械や構造物にはどのような力が作用し,どのような変形を生ずるのか,応力やひずみ(引張・圧縮・せん断応力とひずみの関係ひずみの関係および真応力と真ひずみも含む)という概念とこれらの関係について学ぶ.単位についても解説を行う.

2.棒の引張と圧縮
棒に引張力および圧縮力が作用する棒を取り扱い,棒に生ずる応力とひずみの算出方法を学ぶ.

3.変断面棒の引張と圧縮
断面積が連続的に変化する棒に生ずる応力やひずみの算出方法を学ぶ.さらに平等強さの棒・棒の自重など応力が一様ではない棒の材料力学的な取り扱いを学ぶ.

4.熱応力
部材に応力が生ずる原因は外力だけではなく熱変形によるものがある.温度変化による物体の変形が拘束されると外力が加わる場合と同様に応力(熱応力)が生じる.熱応力の問題の取り扱い方を学ぶ.

5.衝撃応力
機械では,運動しているものが多いため短時間に急激に荷重が作用する場合の応力(衝撃応力)を考慮しなければならない場合も生じる.衝撃応力の取り扱い方を学ぶ.

6.はりの曲げモーメントとせん断力1
機械や構造物において重要な部材であるはりについて学ぶ.はりの問題を解く上で必要なせん断力,曲げモーメントについて学ぶ.せん断力,曲げモーメントの定義および片持ちばり,両端支持ばりに集中荷重・分布荷重が作用した場合のせん断力,曲げモーメントの算出方法を学ぶ.

7.はりの曲げモーメントとせん断力2
面積モーメント法などについて学び,応用問題に着手する.

8.学習成果の確認
1〜7までに学んだ事柄に対するテストを実施する.

9.はりの曲げ応力
はりの曲げ応力を求める上で,重要な断面二次モーメントを様々な断面について求めるとともに,はりの単純曲げ状態における幾何学的関係から,曲げモーメントと曲げ応力との関係を学ぶ.

10.はりのせん断応力
曲げによって生じるせん断応力について学ぶ.

11.はりのたわみ1
はりの微小部分が円弧状に変形するとして,幾何学的関係からはりのたわみの基本となる微分方程式を導く.そして片持ちばり,両端支持ばりの代表的な境界条件について具体的にたわみを導く.

12.はりのたわみ2
重ね合わせの応用について学び,応用問題に着手する.

13.平等強さのはり
平等強さのはりなどについて学ぶ.
機械や構造物を設計をする上で重要となる技術と安全についてもふれる.

14.はりの応用  技術者の倫理
せん断中心,板ばねなどについて学ぶ.
機械や構造物を設計をする上で重要となる技術と安全および技術者の倫理についてもふれる.

15.学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
原則として,中間(100点満点)および期末試験(100点満点)の点数と演習点数(100点満点)に所定の比率を掛けた数値の合計が60点以上を合格とする。比率は次のとおりである。中間試験:40%,期末試験:45%,演習:15%

<教科書>
“機械工学基礎コース 材料力学” 小久保邦雄、後藤芳樹、森 孝男、立野昌義(丸善株式会社)

<オフィスアワー>
金曜日16:40〜18:00八王子キャンパス8号館-302.それ以外の曜日も相談により対応可.

<学生へのメッセージ>
材料力学は機械や構造物の強度設計に必須の学問です.実際の身の回りにある機械や構造物を設計するには材料の応力や変形する性質を良く理解しておく必要があります.与えられた演習以外にも自分で問題を解き、材料力学の考え方をこの機会にぜひ身につけてください.

 

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