2009年度工学院大学 第1部機械工学科
○材料力学及演習I(Exercise of Strength of Materials I)[5351]
3単位 後藤 芳樹 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 材料力学は強度設計に必要な基礎的な学問である.授業では,講義において材料力学の基本的な考え方について理解し,続いて演習を行うことによって理解を深め,適切な応用ができるようになることをねらいとしている.以下に具体的目標を示す.
(1)応力とひずみの意味を理解し,引張・圧縮・せん断応力とひずみ,応力とひずみの関係を習得する. (2)引張試験,応力−ひずみ線図などを通して弾性や塑性について理解し,材料試験について学ぶ. (3)棒に働く応力やひずみ,トラス構造などに働く応力を求めることができる. (4)はりの曲げについて,せん断力図,曲げモーメント線図の作図ができ,曲げ応力やせん断応力を求めることができる. (5)軸がねじりをうけるとき,トルクとねじり角の関係を理解しせん断応力を求めることができる. (6) 機械・構造物の破壊や事故を通して技術者の倫理について考える.
(JABEE学習目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(B)○(C)○(D)◎
(JABEEキーワード) 「機械工学プログラム」:引張・圧縮・せん断応力とひずみ(6.0),弾性と塑性(2.0),熱応力(2.0),衝撃応力(0.5),ねじり(3.0), 曲げ(18.0),真応力と真ひずみ(0.5),トラス・ラーメン(2.0),工業材料の性質と機能(1.0),材料試験法(1.0).
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を履修する前に,「数学I・II」などにより微分積分,微分方程式を,また「物理学」,「工業力学及演習I・II」などで,力の釣り合い,力のモーメント,偶力に関して習得しておく必要がある.本科目の修得後は,「材料力学及演習II」に進み,さらに「数値材料力学」や「材料強度学」などの科目を履修することができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週[ガイダンス]材料力学はどんな学問で何を学ぶのか.機械や構造物の破壊事故を通じて技術者の倫理について考える.
第2週 [単位と力] 単位,外力と内力,引張・圧縮・曲げ・ねじり荷重. 第3週[応力とひずみの関係]応力とひずみの概念.引張・圧縮・せん断応力とひずみ. フックの法則. 第4週[工業材料の性質と機能]引張試験,応力―ひずみ線図,弾性と塑性,真応力と真ひずみ, 材料試験法. 第5週[棒の引張と圧縮]骨組み構造,トラス・ラーメン.不静定問題.棒に働く応力の問題について 学ぶ. 第6週[締結体の問題]棒の不静定問題.不静定トラス,自重による応力とひずみ,ボルトの締め付け 応力. 第7週[初応力・熱応力]棒の熱膨張により生ずる熱応力.ひずみエネルギーとエネルギー保存則. 衝撃応力. 第8週[はりの曲げ]はりの形式,曲げモーメントとせん断力.片持ちはりと両端支持はり. 第9週[曲げモーメント図・せん断力図]各種はりのせん断力図,曲げモーメント図. 第10週[はりの曲げ応力]横荷重を受けるはりの応力,断面二次モーメントについて学ぶ. 第11週[曲げによるせん断応力]横荷重を受けるはりに作用するせん断応力とその分布. 平等強さのはり. 第12週[ねじり]軸のねじり,せん断応力の分布,トルクとねじり角の関係について学ぶ. 第13週[伝導軸の設計]動力を伝えるための伝導軸の直径を求める. 第14週[ばねの設計]ばねのねじりについて学ぶ. 第15週[定期試験]
- <成績評価方法及び水準>
- 授業形態は,原則として3時限目講義,4時限目演習とする.演習のやりかたは,授業の開始時に演習問題を提示するので,その時間内に問題を解き,提出してもらう.答案ができていない場合は,返却するので,できるまで何回でもやってもらうことにしている.成績評価は,中間試験と期末試験の試験点の合計を60%,毎時間行う演習の演習点を40%とする.合格点は60点以上.
- <教科書>
- 機械工学基礎コース 「材料力学」 小久保邦雄,後藤芳樹,森 孝男,立野昌義 (丸善)
- <参考書>
- 「材料力学 上巻」チィモシェンコ著(東京図書)
- <オフィスアワー>
- 3時限目と4時限目の間の時間をオフィスアワーとする。
- <学生へのメッセージ>
- 工業力学が基礎となるので,とくに「力の釣り合い」や「力のモーメント」については十分に理解しておいて欲しい
- <備考>
- 演習には毎週十分な時間を取ってある.教員との質疑応答により答案を完成させ,授業時間内に答案を提出すること.
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