2009年度工学院大学 第1部機械工学科
機械製作法(Mechanical Technology)[5151]
2単位 久保木 功 准教授
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 各種機械やその部品を高精度かつ低コストで製造するための,製作手順,設計,製作の基礎となる主要な加工法の原理と活用について述べ,いかに製造方法や製造工程を合理化して費用を減らし、製品の機能や使用価値を高めるかの価値分析(Value analysis:VA)に役立つ加工法の選択指針を得る.
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギーデザインプログラム」 (C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎ (D)創造力の習得:○ JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)の(2):◎
(JABEEキーワード) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:加工法、鋳造法、ラピッドプロトタイピング、塑性加工、素材製造、溶接/接合、粉末加工、金型、射出成形、流動体成形、加工機械、工作機械、マイクロ/ナノ加工、表面加工、CIM/FMS/FA CAD/CAM/CAE (前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を習得する前に「機械実習」及び「加工工学概論」を習得しておくことが望ましい.本科目習得後は塑性学加工学,接合工学等により,より深く加工法について学ぶことができる他,設計に当たり,どのような加工法にすべきか,正(しょう)にすべき面はどこか,型はどこで割ればよいか等について判断できるほか、製品の使用価値を高める価値分析に役立つ.
- <授業計画及び準備学習>
<授業計画> 第1週 「総論」 設計,製作,組立,製品化に当たり,近年コンピューターシミュレーション技術の発 達により,開発設計期間が大幅に短縮されると共に,それがCAD/CAMにより製造される他,それらは CIM/FMS/FA等のコンピューターにより統合管理された方式で製造されることを学ぶ.また,歩留りが良 くかつ,環境に優しい製造法が日々考案され利用されていることを学ぶ. 第2週 「実際の製造法の例示」 リア・アクスルシャフトの製造法を例示し,強さに関係せず,加工の みに関係する突起を設けたり,安価な材料で表面加工を加えることにより強度を高める等,加工法を知 らぬと良い設計はできぬことを学ぶ. 第3週 「鋳造法1」 金属の溶融と凝固に関することがらを学び,木型や型砂に要求される性質を学 ぶ. 第4週 「鋳造法2」 各種鋳造法を示し,用途に応じた鋳造法を探る中で,ラピッドプロトタイピング 等CAD/CAMでの型製作についても学ぶ.また鋳造欠陥についても学ぶ. 第5週 「鋳鉄の特性」 一般的な鋳鉄の特性を学ぶ他,特殊な鋳鉄の製法について学び,鋳造品でも鍛 造品に匹敵する強度部品が得られること,及びその他の金属の用途や製法について学ぶ. 第6週 「粉末加工」 粉末成形が必要なわけを学び,その技術がセラミック加工に応用されていること を学ぶ. 第7週 「プラスチック及びセラミックの成形加工」 プラスチック材料の特性を知り,その特性に応じ た射出成形をはじめ流動体の成形法について学ぶ. 第8週 「素材製造と塑性加工1」 素材製造及び材料の変形加工特性について学び,あわせて塑性加工 がチップレスの高効率な環境に優しい方法であることを学ぶ. 第9週 「塑性加工2」 金型について学ぶと共に,鍛造加工,圧延加工,引抜き加工等について学び, 塑性加工に関する加工機械についても学ぶ. 第10週 「溶接/接合」 アーク溶接法について学び,あわせて圧接法や固相接合その他の特殊溶接法 や溶接組立法について学ぶ他,ひずみが発生しやすいため溶接順番に注意すべきことについて学ぶ. 第11週 「溶接冶金」 溶接冶金は極めて短時間の加熱・冷却に伴う非平衡な現象である。この現象を学び、それに伴って生じるひずみの発生や溶接順番に等、溶接に当たり注意すべきことについて学ぶ. 第12週 「工作機械,研削加工」 ネジの加工原理,早戻り機構,研削加工について概説する. 第13週 「各種加工機械」 トランスファーマシンとマシニングセンターの特長について学ぶ他,ロット数に応じて工作機械を選択する必要のあることについて学ぶ. 第14週 「特殊加工及びマイクロ加工」 金型加工に関連しワイヤ放電加工を含む放電加工について学び,電子ビーム,プラズマ,ウォ―タージェット加工の他,PVD、CVD等マイクロ加工についても述べる。 第15週 「学習成果の確認(試験)」
- <成績評価方法及び水準>
- <成績評価方法及び水準>
原則として定期試験で最終成績を評価.60点以上の者に単位を認める.試験の点数が50点以上で,60点未満かつ出席が6割以上の者にはレポートの提出を認め,レポートの内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする. 「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C) および(D)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。
- <教科書>
- 「材料加工プロセス―ものづくりの基礎―」山口克彦・沖本邦郎編著(共立出版)
- <参考書>
- プリント
- <オフィスアワー>
- 金曜日 13:00〜17:00. それ以外でもメールで約束の上,対応可.
- <学生へのメッセージ>
- 授業の始めに,前回授業の簡単なまとめをした上で次の項目に移るので,要点を聞き逃さないよう期待する.
- <参考ホームページアドレス>
- E-mail:at66060@ns.kogakuin.ac.jp
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