2009年度工学院大学 第1部機械工学科
○工業熱力学I及演習(Engineering Thermodynamics I and Exercise)[4157]
3単位 是松 孝治 教授 [ 教員業績 JP EN ] 齊藤 剛 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- (JABEEキーワード)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:状態量と状態変化、エネルギー保存則(熱力学の第一法則),熱力学の第二法則,状態方程式,気体の流動,エネルギーの形態と変換,サイクル (前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を履修する前に,「数学I・II」「数学演習」などにより微分積分学を,「物理学I」の内容の理解しておくことが必要である。本科目の修得によって,「工業熱力学II」「内燃機関」「エンジンシステム」「伝熱工学」「蒸気工学」「燃焼工学」などの―基幹産業を支えるエネルギー変換機器の性能設計に必要な―科目を履修することができる. つまり、エネルギーコースの専門科目の導入部分であって、ここまではどのような分野に進むにも最低限必要なことのみに絞っている。
- <授業計画及び準備学習>
- 毎週2時限続けて授業を行う。講義と演習を1時間ずつ行う。
1. 熱力学の基礎事項 熱力学の歴史、状態量と非状態量とその単位(SI) 2. 熱力学第1法則 熱平衡と熱力学的平衡,熱と仕事の作用と効果の同等性(エネルギーの形態と変換)。 3. 熱力学第1法則の数式表現 状態変化,準静的過程,エンタルピー,比熱。 4. 理想気体の4つの状態変化 状態方程式と比熱,代表的な準静的変化とその計算。 5. 熱力学第2法則 可逆変化と不可逆変化、準静的変化 6..カルノーサイクル 熱力学的温度,エントロピー 7.エントロピーの計算と有効エネルギーの意味 8. 熱と仕事の変換サイクル:熱機関の仕事発生の原理。 オットサイクルの熱効率と平均有効圧の計算でわかることとわからないこと。 サイクル論のエンジン技術に関する限界。 9. 熱と仕事の変換サイクル:ヒートポンプの原理 冷凍機とヒートポンプ。 10. 気体の流動 定常流動系,連続の式,エネルギー式。 11.ノズルを通る可逆断熱流れの計算 臨界流と臨界圧力、末広ノズルと衝撃波の発生 12. 燃料の化学エネルギーから電気のエネルギーを取り出す場合の有効仕事 気体の体積変化による仕事を以外の例として「燃料電池」の熱力学の有効仕事の計算を行う 13−15 理解度に応じて上記の内容を深めたり、補足したりする 演習は講義の進度にあわせて、隔週テストを行う。教科書(参考書でもよい)1冊のみの持込を許可する。
- <成績評価方法及び水準>
- 期末試験(40%)と6回の演習(30%)と6回の小試験(30%)を総合する。()内の比率で総合する。
- <教科書>
- 熱力学教育研究会編「機械技術者のための熱力学」産業図書
- <参考書>
- 是松、森棟編著「はじめて学ぶエンジン技術と機械工学」コロナ社
- <オフィスアワー>
- 講義終了後:8号館205室に来てください。
- <学生へのメッセージ>
- 1.熱力学の理論展開で「ピストンとシリンダの組み合わせ」が出てくるのはなぜかを考えると「機械工学」で熱力学の立場がわかります。
2.熱力学だけでエンジンのことはわかりませんが、熱力学を知らないとエンジンの技術者にはなれません。
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