2009年度工学院大学 第1部機械工学科
○流れ学I及演習(Fluid Flow I and Exercise)[1153]
3単位 伊藤 慎一郎 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 流体力学の中で最も基本的な水力学について、現象の物理的意味を考えながら学習し、さらに演習問題を解くことにより、流体力学の基礎を身に着ける。以下に具体的な目標を示す。
(1)連続の式、ベルヌーイの式を通じて、保存則の意味を理解し、応用問題に適用できるようにする。 (2)運動量保存則・角運動量保存則を用いて、流体が物体等に及ぼす力について理解する。 (3)物体周りの流れと流れの抵抗の関係を理解する。 (4)ポンプや水車などの損失・効率を用いて流体機械の設計手法の基礎を理解する。 (5)流れの計測方法について具体的な知識を習得する。
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎、(F)○
(JABEEキーワード) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:エネルギー保存則(ベルヌーイの式)(3h)、質量と運動量の保存(3h)、理想流体の力学(1.5h)、層流と乱流(1.5h)、粘性流体の力学(3h)、各種流れの抵抗(1.5h)、流れの計測(1.5h)
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を履修する前に、「数学I」、「数学II」により微分積分学を、さらに「工業力学及び演習I」、「工業力学及び演習II」により速度と加速度、質点に働く力と運動法則、仕事とエネルギー、動力、運動量と力積に関する項目を習得しておく必要がある。 本科目の習得後は「流れ学II」に進み、「流体機械」などの応用的な科目を履修することができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. [ガイダンス] 流体の基本的性質
2. [理想流体の力学] 流体の静力学 3. [エネルギー保存則] 連続の式,ベルヌーイの式の導出 4. [エネルギー保存則] ベルヌーイの式の応用 5. [質量と運動量の保存則] 運動量保存則を用いて、物体に作用する流体力を求める 6. [質量と運動量の保存則] 運動量保存則の応用 7. [層流と乱流] 粘性流体の性質とレイノルズ数、層流と乱流について学ぶ 8. [粘性流体の力学] 管内流れ(ハーゲン・ポアズイユの式)を中心に粘性流体の性質を述べる 9. [粘性流体の力学] ムーディー線図を用いて、管路内の流れと抵抗、管路の設計法について学ぶ 10. [エネルギー変換] ポンプや流体機械の損失を考慮して、流体機械の性能を評価する 11. [各種流れの抵抗] 円柱や翼に作用する流体力について説明し、はく離についても解説する 12. [流れの計測] ピトー管、熱線流速計など計測機の原理を説明する 13. [流体工学の応用・全体のまとめ] タービン・自動車・航空機・風車等の流れを利用した機器について解説する.エネルギー保存則、運動量保存則、各種抵抗を中心に講義全体のまとめを行う
- <成績評価方法及び水準>
- 授業の形態は、原則として1時限目講義、2時限目演習とする。演習は試験形式で行なう。
成績評価は、演習問題40%、期末試験60%とし、60点以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 「基礎から学ぶ流体力学」飯田明由・小川隆申・武井昌宏・著(オーム社)
- <参考書>
- 「詳解水力学」今木清康著(理工学社)
「流体力学(1)」大橋秀雄著(コロナ社) 「図解流体工学」望月修著(朝倉書店)
- <オフィスアワー>
- 火曜日 16:30〜18:00
これ以外の時間帯の質問、及びメールでの質問などは、以下のメールアドレスまで。 ito@fluid.mech.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 具体的な例を示しながら基礎事項をていねいに説明する。演習を通じて理解を深めてほしい。
流れ学Iは流体力学の基礎であり、特に保存則について理解していただきたい。
- <参考ホームページアドレス>
- http://fluid.mech.kogakuin.ac.jp/
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