2008年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科
都市文化研究(Cultural Studies on City)[5503]
2単位 吉田 司雄 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- この科目は教員が講義するのではなく、学生たちが自らの関心と興味でテーマを選び、とことん調査分析し、その結果をいわば教師役を演じるかたちで報告し合ってゆくという授業である。新宿校舎と八王子校舎とで隔年毎交互に開講されるが、本年度は新宿校舎開講なので、共通テーマも「新宿」(ただし、新宿区内および関連の深いものであれば可)とする。以下に、授業計画の形で今までに先輩たちが取り組んだテーマを中心に幾つか参考例としてあげておくが、これらにしばられる必要はない。SF映画やアニメなどに描かれる想像上の「未来都市」といったテーマでも、場合によっては認めることにしている。
最初にも述べたように、この授業の主役は教員ではなく受講生一人一人である。毎回報告担当者を決め、自分の選んだテーマについて口頭で発表してもらう。またゼミ形式を採り、参加者全員に毎回必ず発言してもらう。自分の関心に沿って、自らの手で調べ考え、選んだテーマを掘り下げてゆく調査力分析力をつけること、そして他の人の発表にきちんと耳を傾けることで、自らの関心を広げ、対話的批評的に発言する能力を培うことが目標である。従って受講者には他の参加者の期待に十二分に応えられるところまで、きちんと調べ、自分の考えをまとめ、わかりやすいレジュメを作成する努力と熱意とが絶対に要求される。近年はパワーポイントを使った発表がほとんどであるが、いずれにしても相当の準備時間が必要となることを覚悟されたい。
- <授業計画>
- 1 授業の方法、発表準備の仕方のガイダンス
2 基礎知識の確認、発表準備の実際 3 学生の発表と討議 (例:「追分団子」はなぜ「追分」なのか?−宿場町としての新宿) 4 学生の発表と討議 (例:『東海道四谷怪談』の舞台−お岩さんの幽霊が出た場所は?) 5 学生の発表と討議 (例:「新宿御苑」の誕生−近代日本における動物園・植物園の役割) 6 実地踏査 (新宿区歴史博物館見学&四谷周辺史跡散歩) 7 学生の発表と討議 (例:「新宿中村屋」の名物は「ピロシキ」−相馬黒光をめぐる文化史) 8 学生の発表と討議 (例:「坂」の由来−地名から探る新宿の歴史) 9 学生の発表と討議 (例:「伊勢丹」vs「三越」−昭和初期の消費空間とデパートの登場) 10 学生の発表と討議 (例:「歌舞伎町」の起源−戦後復興と新宿の町つくり) 11 学生の発表と討議 (例:「新宿バス放火事件」−メディアと犯罪) 12 学生の発表と討議 (例:サイバーパンクSFにみる未来都市像) 13 まとめ
- <成績評価方法及び水準>
- どれだけきちんと準備をし、どれだけ充実した内容の発表を行ったかが、成績評価にあたっての中心。とはいえ、発表の出来不出来だけでなく、ゼミへの貢献度(積極的に発言したか等)から総合的に評価し、60点以上の者に単位を認める。欠席は原則として認めない。よって、たとえ自分の担当回だけ出席しても単位修得はできない。
- <参考書>
- これを自らみつける力をつけることが授業の目的の一つである。
- <オフィスアワー>
- 新宿校舎2772研究室 月12:30〜13:00
それ以外は教員に直接たずねること。
- <学生へのメッセージ>
- 参加希望者にはA4サイズにまとめた「研究計画書」を第2回目の授業時にまず提出してもらう。詳しくは第1回目の授業の時に説明するので、必ず出席すること。第2回目以降からの参加は原則として認めない。また、いいかげんな「計画書」しか用意できなかった学生の登録も認めない。人数が多い場合は受講者数の制限をする。第1回目の授業時、その場で何を研究したいかをできるだけ具体的に書いてもらい、はっきりと意欲のみられる学生から順に受講を許可する。従って、参加希望者は第1回目の授業に出席するにあたって、何をやりたいのかをきちんと考えておくこと。
なお、工学院大学エクステンションセンターで隔週金曜日の夜に「新宿学」という講座が開講させている。時間が許せば、こちらも聴講してほしい。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2008 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|