2008年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

数学II(Mathematics II)[2557]

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2単位
片野 修一郎 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
専門課程で数学が必要になった時、きちんと使えるように、微積分の概念的な理解と実際の運用技術の修得の両方を目標とする。余裕があれば、論理体系の典型としての、また人類が築いた壮大な思想体系としての数学の側面も味わって欲しい。具体的には、(1)偏微分の意味を理解し、いろいろな初等関数の偏導関数が求められること(2)偏微分を関数の極値問題などに応用できること(3)重積分の意味を理解し、累次積分や変数変換を用いて具体的な計算ができること、を主な目標とする。
(JABEE学習・教育目標)
「機械システム基礎工学プログラム」
(C)技術者としての基礎力の修得:◎

(JABEEキーワード) (C-1)数学系、解析学

(前提となる基礎知識と修得後の展開) 本科目を履修する前に「数学I」、および高等学校の数学、特に数学IIIをきちんと復習しておくこと。本科目は、今後の数学的解析を必要とするあらゆる専門科目の理解への基礎となるものである。

<授業計画>
1.多変数関数とは?(概念とその"グラフ"の描き方)
2.多変数関数の極限・連続性(一変数との違い)
3.偏微分法(偏導関数の定義とその意味)/演習
4.偏微分の欠点/全微分と連続偏微分可能関数
5.高次偏導関数/合成関数の連鎖律/演習
6.多変数関数のTaylorの定理
7.多変数関数の極値問題(6の応用)/演習
8.陰関数定理・Lagrangeのλ乗数法
9.重積分とは?(定義とその意味)
10.重積分の計算I/累次積分とFubiniの定理/演習
11.重積分の変数変換/その方法とJacobianの意味
12.重積分の計算II(特に極座標変換)/演習
13. (予備)
丁寧に話すつもりなので、8.は時間不足で扱えなくなる可能性がある。

<成績評価方法及び水準>
期末試験の成績と以下に述べる普段の演習点の合計で評価する。試験は、授業時に配布する演習問題のプリント中から出題する予定。他に、時間の許す限り授業時に演習を行うので、黒板で解答をした者には平常点を与え、試験の点数に加算する。また、授業時の質問に答えた場合やレポート課題を提出した場合も適宜平常点を与える。以上の合計点が60点以上の者を合格とする。評価は厳格に行い、救済目的の追試措置等は一切しない。
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標Cは、上記の基準を満たせば達成される。

<教科書>
授業は教科書の通りに進めるわけではないので、必要なときにいつでも参照できる微積分の本を既に持っていればそれでよい。また、授業の板書は、教科書など見なくても済むような(市販の教科書よりよっぽど丁寧でわかり易い)ノートができるものにするつもりである。プリント資料も随時配布する。

<参考書>
最近はいろいろな微積分の参考書が出版されているので、書店に足を運んで、実際に手に取って、気に入ったものを選ぶのが一番よい。必要なら、授業時に紹介する。

<オフィスアワー>
授業時の前後の休み時間、八王子校舎1号館講師室で。特に、4時限前の2:20〜。
質問・相談歓迎します。

<学生へのメッセージ>
多変数の関数では、より概念的に難しくなるので、「よくわかるまで考える」という態度が絶対的に必要である。おざなりの勉強では決して身につかないと思ってよい。自主的な勉強時間を十分にとって欲しい。数学Iでの既習事項についても可能な限り講義中に復習する予定であるが、その理解度が極めて低い場合はこの数学IIを良く理解することはきわめて難しいと言わざるを得ない。

 

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