2008年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

物理学及演習III(Physics and Exercise III)[2170]

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3単位
加藤  潔 教授  
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金 哲 夫 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
グルーバルエンジニアリング学部における学習の土台の1つとして,物理学の基礎を学ぶ。物理学及演習IIIでは電磁気学,および20世紀の物理を扱う。高校での物理学未習者がいることも考慮して基礎的なレベルから講義を行う。
以下の項目を習得することを目標とする。
(1)電磁気学に現れる物理量(電荷,電流,電場,電位,場のエネルギー,等)意味と相互の関係を理解すること。
(2)マクスウェルの方程式を構成する4つの法則の意味を積分形で理解し,簡単な系に対してそれを適用して分析する方法を理解すること。
(3)電磁波の概念とその諸性質を理解すること。
(4)荷電粒子の運動を理解すること。
(5)20世紀になって得られた新しい概念(4次元時空,量子,ビッグバン宇宙論など)について,概説的に理解すること。
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)(d)の(1):◎

(前提となる基礎知識と修得後の展開)
本科目を履修する前に「物理学及演習I」,「物理学及演習II」などにより,力学や熱力学,流体,波動に関する分野を修得しておくことが望ましい。
本科目で修得した内容は,物理学の知識を基礎として要求する各専門科目の履修に役立つ。

<授業計画>
1. 電磁気学(1)。電荷。クーロンの法則。電場。
(点電荷間に働く力を理解し,それから,点電荷の電場を理解する。電場のベクトル合成を理解する。)
2. 電磁気学(2)。ガウスの法則とその応用。
(電気力線,電束の概念を理解し,電束の保存則としてガウスの法則が導入される。点電荷,平板,直線分布などの単純な例についてガウスの法則を適用して電場を求める。)
3. 電磁気学(3)。電位。コンデンサー。電場のエネルギー。
(電場と電位の関係を理解する。点電荷の電位を学ぶ。コンデンサーの意味と,平行平板などの場合の電気容量を導く。平行平板コンデンサーに充電する仕事から電場のエネルギー密度の概念を導く。)
4. 電磁気学(4)。磁場。アンペールの法則。ビオサバールの法則。
(電気現象と対応させて磁気現象の基礎的概念を学ぶ。電流と磁場の関係を与える2つの法則を学び簡単な系に適用する。)
5. 電磁気学(5)。ファラデーの法則。インダクタンス。
(電磁誘導現象について学ぶ。自己インダクタンスの概念を学びソレノイドの場合に適用する。電流を維持するための仕事から磁場のエネルギー密度の概念を導く。)
6. 電磁気学(6)。変位電流。マクスウェルの方程式。
(交流電流の場合にアンペールの法則を考察し,電流の連続性を維持するために変位電流の概念が導入されることを理解する。今までの法則を総括して電磁気の基礎方程式系を理解する。)
7. 電磁気学(7)。電磁波。
(マクスウェルの方程式から電磁波が理論的に存在することを明らかにする。電磁波の分類や諸性質について学ぶ。)
8. 電磁気学(8)。電磁場中の荷電粒子の運動。
(ローレンツ力について学ぶ。一様な場の場合に限定して,荷電粒子の運動を,電場のみ,磁場のみ,電場+磁場の場合に調べる。)
9. 電磁気学(9)。物質の電気的,磁気的性質。
(導体と不導体の違いを自由電子の存在と関係づけて学ぶ。常磁性体,強磁性体,反磁性体の性質を学ぶ。磁性に関係して,超伝導現象とマイスナー効果について概説する。)
10. 現代物理学(1)。相対性理論。
(マイケルソンモーレーの実験から始めて,相対性理論の導入と定式化を学ぶ。4次元時空の概念を理解する。ローレンツ変換を使って,時間の遅れや距離の短縮などが見られることを学ぶ。)
11. 現代物理学(2)。量子論その1。
(光の波動的性格と粒子的性格を実験現象と関連させて議論する。光子の概念を学び,光電効果,コンプトン散乱などの現象を理解する。)
12. 現代物理学(3)。量子論その2。
(水素原子のスペクトル線とボーアの仮説,物質波について学ぶ。量子力学の定式化を概説し,現代の先端技術が殆ど量子力学と関連することを学ぶ。)
13. 現代物理学(4)。宇宙論。
(ビッグバン宇宙論について,各種の観測事実(ハッブルの法則,宇宙背景輻射など)を説明して,概説する。)
14.定期試験

(演習)
1.-2. 物理学及演習IIで学んだ電気回路に関する演習を扱う。
3.-13. 講義の1.-9.の内容に対応する電磁気学関係の内容の具体的な演習。
14.定期試験

試験期間に定期試験を実施する(講義および演習)

<成績評価方法及び水準>
成績評価=A+B+Cとし,その値が60点以上の者に単位を認める。
A=期末試験の評価点(60点満点),B=予習課題,復習課題による評価点(20点満点)。C=演習課題による評価点(20点満点)。
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「理工系物理学講義」加藤潔(培風館)
演習問題はすべて英文であり,プリントを配布する。

<参考書>
「物理学演習テキスト」 (学術図書出版)

<オフィスアワー>
火曜4時限(八王子校舎1号館2階の物理実験準備室)

<学生へのメッセージ>
担当者ホームページ(http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/)に講義や試験などに関する連絡や指示を提示する。また,オフィスアワー以外の担当者への質疑や面談の予約も電子メールで行なうこと。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/

 

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