2008年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
生命科学(Life Science)[1559]
2単位 大藤 道衛 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 生命科学は、ゲノム上にある遺伝情報に基づき分子レベルで生命現象を解明する学問である。前半の講義では、細胞の構造を学ぶとともに遺伝情報に基づいた細胞の営みが“生命”へとつながる姿を概観する。後半は、生命科学研究で用いる遺伝子工学や遺伝子解析などの研究の基盤技術を学ぶとともに、遺伝子診断・遺伝子治療・再生医療など医療への応用、更には新しい技術に対する社会受容と生命倫理についても触れる。本講義は、生命科学と医療・産業との関わりを考える際に必要な基礎知識や概念の習得を目指す。
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」 (C)基礎工学・専門工学知識の習得 ◎ (B)技術者倫理の習得 〇
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目履修の前提となる知識・科目は特にない。生命科学研究は機械系分野との融合により、診断・治療機器、バイオ機器、ナノバイオテクノロジーなどに応用され、医療、産業を通じて社会に還元される。本科目は、生命科学と機械系との融合分野に必要な知識や考え方に繋がる。
- <授業計画>
- 第1週 生物・細胞・遺伝子そして生命科学とは何かを学ぶ。
第2週 細胞の種類と構造について学ぶ。 第3週 遺伝情報分子であるDNA/RNAと機能を担うタンパク質について学ぶ。 第4週 遺伝子の情報が形質となって現れる仕組み(遺伝子発現調節)を学ぶ。 第5週 ヒトゲノムDNAの構造について学ぶ。 第6週 遺伝子発現と発生・分化の仕組みについて学ぶ。 第7週 中間試験 第8週 中間試験解説ならびに遺伝子工学技術について学ぶ。 第9週 遺伝子解析技術について学ぶ。 第10週 がんと遺伝子について学ぶ。 第11週 生命科学の医療への応用(遺伝子診断・遺伝子治療・再生医療)について学ぶ。 第12週 新しい技術(遺伝子組換え作物、クローン動物等)と生命倫理について学ぶ。 第13週 生命科学のPublic understanding (PU)について学ぶ。 第14週 定期試験
- <成績評価方法及び水準>
- 期末試験が60点以上を合格とする。ただし、期末試験が50〜59点の場合、中間試験と期末試験の平均点が60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 教科書は指定せず、講義資料(生協にて販売)を使用する。
- <参考書>
- 榊佳之著:「ヒトゲノム」-解読から応用・人間理解へ 岩波新書(2001)
服部正平著:「ヒトゲノム完全解読からヒト理解へ アダムとイブを科学する」東洋書店(2005)
- <オフィスアワー>
- 月曜日 講義終了後30分
- <学生へのメッセージ>
- 我々人間も生物の一員、生命科学は自分自身を知る学問です。聞き慣れない用語の意味を一つ一つ理解すれば、生命科学の面白さが開けてきます。
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