2008年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

物理学II(Physics II)[2230]

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2単位
加藤  潔 教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
グローバルエンジニアリング学部における学習の土台の1つとして,物理学の基礎を学ぶ。
物理学IIでは物理学Iの内容を受けて熱力学、電気と磁気、線形回路の扱いを学ぶ。
高校での物理学未習者がいることも考慮して基礎的なレベルから学んでいく。この科目は「物理学演習II」と対をなすもので,講義と演習が連携しながら進行する。講義では基本的な概念や定理を学習し,演習で実際に手を動かして問題を解くことにより理解を定着させる。演習問題はすべて英文であり,プリントを配布する。
以下の項目を習得することを目標とする。
(1)熱力学に現れる物理量(絶対温度、物質量、比熱、内部エネルギー、エントロピー等)の意味を理解すること。
(2)理想気体の状態方程式を利用して、気体の状態変化が扱えること。
(3)熱力学の第1、第2法則の意味を理解し、具体的な系に適用できること。
(4)電荷の間に働く力,それを記述する電場の考えを理解し,ガウスの法則を学ぶ。さらに,電位,電気容量などについて学ぶ。
(5)磁気的な力と,それを記述する磁場の考え方を理解し,さらに,電流が作る磁場についてアンペールの法則を学ぶ。
(6)オームの法則、キルヒホッフの法則を理解し、簡単な線形回路の解析ができること。

(前提となる基礎知識と修得後の展開)
本科目を履修する前に「物理学I」,「物理学演習I」などにより,基礎的な物理学の考え方,特に力学に関する考え方と方法を修得しておくことが望ましい。
本科目で修得した内容は,「物理学演習II」「物理学III」「物理学演習III」,および,物理学の知識を基礎として要求する各専門科目の履修に役立つ。

(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)(d)の(1):◎

<授業計画>
1. 熱力学(1)。温度と物質量。熱,熱容量,比熱。気体の状態方程式。
SI単位系の一部である,ケルビンとモルの定義を学ぶ。理想気体の状態方程式を
学んでその応用を理解する。
2. 熱力学(2)。気体の状態方程式(つづき)。気体分子運動論。
状態方程式を復習し,状態量のダイアグラムによる状態変化の表示,気体のなす
仕事について学ぶ。分子運動論による状態方程式の導出を行い,
次回の内部エネルギーの理解へつなげる。
3. 熱力学(3)。熱力学第1法則。気体の状態変化(1)。
内部エネルギーの概念について学ぶ。仕事と熱はわかりやすい概念であるが状態量ではないことに注意して,第1法則を説明する。気体の定積,定圧変化を扱う。
4. 熱力学(4)。熱力学第1法則。気体の状態変化(2)。気体の比熱。
前回に引き続き,気体の等温,断熱変化を扱う。マイヤーの関係式を導く。気体の比熱と内部自由度の関係を調べる。
5. 熱力学(5)。熱力学第2法則。熱機関。効率。
熱機関の考え方を学ぶ。第2法則の各種の表現(効率,トムソン,クラウジウス)の意味と相互の論理的関係を議論する。カルノーサイクル等の具体的なサイクルの効率
を調べる。
6. 熱力学(6)。エントロピー。
エントロピーの概念の意義を理解し,簡単な状態変化についてよりエントロピーが計算方法を学ぶ。。エントロピーの増大の原理を理解する。
7. 電磁気(1)。電荷,クーロンの法則,電場。
電荷の間に働く力について学び,それから,電場の概念を導く。電場のベクトル的な重ねあわせを理解する。
8. 電磁気(2)。ガウスの法則。
電場と電荷の関係を記述するガウスの法則の考え方を理解し,簡単な系に応用する。
その過程で,電束密度,電束,真空の誘電率を学ぶ。
9. 電磁気(3)。電位,コンデンサー,電気容量,電流と電位差,電気的な仕事。
電位の概念を理解し,電気的な力によりなされる仕事について学ぶ。
平行平板コンデンサーを例として,電気容量の考え方を理解する。
10. 電磁気(4)。電流と磁場,アンペールの法則。
磁場の考え方を電場にならって導入する。電流が作る磁場がどのようなものであるかを学び,基本法則であるアンペールの法則へと導く。
11. 電磁気(5)。アンペールの法則の応用。ビオサバールの法則。
アンペールの法則の応用として,ソレノイド内部の磁場を導く。また,ビオサバールの法則を用いた磁場の計算について学ぶ。
12. 電気回路(1)。電流。オームの法則。キルヒホッフの法則。直流回路。
オームの法則,キルヒホッフの法則,線形回路素子,回路図の読み方について学ぶ。抵抗の直列,並列の合成則を学ぶ。簡単な回路の解析が出来るようにする。
13. 電気回路(2)。交流回路。インピーダンス。
交流の扱い。電力,複素抵抗,インピーダンスと位相のずれなどについてRLC回路などを例として学ぶ。

14.試験期間に定期試験を実施する。

<成績評価方法及び水準>
成績評価=A+Bとし,その値が60点以上の者に単位を認める。
A=期末試験の評価点(70点満点),B=予習・復習課題,授業中の課題に対する評価点(30点満点)。
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「理工系物理学講義(改訂版)」加藤潔(培風館)

<オフィスアワー>
火曜4時限(八王子校舎1号館2階の物理実験準備室)

<学生へのメッセージ>
<学生へのメッセージ>
担当者ホームページ(http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/)に講義や試験などに関する連絡、講義資料や昨年度の試験問題などを提示している。オフィスアワー以外の担当者への質疑や面談の予約は電子メールで行なうこと。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/

 

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