2008年度工学院大学 第1部建築学科 建築学コース

物理学I(Physics I)[2226]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
中澤 宣也 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
あらゆる自然科学の基礎をなす古典力学を通して、自然現象をどのように捉え、表現するかを学ぶ。複雑に見える現象も、現象に本質的な少数の変数を見つけると、旨く説明できることに気が付く。基本的な変数の意味を理解することが大切である。受験で培われた、公式を暗記し数値を代入するという物理学像を払拭したい。
達成目標
1)力学における変数の意味、単位、次元を理解する。
2)ニュートンの運動方程式によって、初期条件が与えられると、それ以降の運動が一意的に決定するという、古典力学の仕組みを理解する。
3)力学の理解には、保存法則が大きな役割を果たしていることを理解し、保存則の起源についても考察する。
4)力学の理解を通じて、微分や積分が抽象的な概念ではなく、背後に物理的なイメージがあることを理解する。

<授業計画>
第1週 :物理学が対象とする自然界のスケール。長さ、時間、質量という基本的な次元。単位。次元解析。
第2週 :現象を記述するにふさわしい座標系である慣性系。座標系を決めたとき、質点の速度、加速度がどう書けるか。運動量の意味。微分、ベクトルの意味。
第3週 :ニュートンの3法則。運動方程式を解くとは。
第4週 :運動方程式の解法。数値解法。微分方程式の解法。重力下の落下運動。雨滴の落下。
第5週 :振動現象(単振動、減衰振動)。
第6週 :仕事、運動エネルギー。
第7週 :保存力、位置エネルギー、エネルギー保存則。
第8週 :中心力下の運動。角運動量の保存。ケプラーの法則。
第9週 :力学の応用問題:脱出速度、宇宙の膨張。
第10週 :質点系の扱い。重心運動と相対運動。運動量の保存。
第11週 :衝突問題。剛体の力学。慣性モーメント。
第12週 :斜面を転がる円柱(固体、内部が液体、中空)を考える。
第13週 :力学の総復習
試験期間 :定期試験

物理学Iで学ぶ古典力学は、あらゆる自然科学の基礎となる。工学技術のどの局面でも要となる学問であり、シンプルでありながら奥が深い。変数、式の意味はいろいろと使っているうちに理解が深まる。実際に問題を解くことが重要である。

<成績評価方法及び水準>
1)時間がある範囲で、授業の最後にその日の内容を題材に簡単な演習を実施する。(解答を提出)
2)適宜、演習問題を出し、宿題として解答レポートの提出を求める。
3)前ニ者の解答について計30点満点で評価し、A点とする。
4)定期試験は、100点満点で評価し、F点とする。
5)最終評価点Xは、X=F+R*A 修正係数Rは、Fが30点以下でR=1、それ以上では漸減し、F=100ではR=0である。
  Xが60点以上を合格とする。

<教科書>
第3版基礎物理学  原 康夫著 (学術図書出版社:2006年10月)

<参考書>
適宜プリントを配布する

<オフィスアワー>
火曜日3時限(八王子校舎) 1号館206室
不在の時は,電子メールで連絡のこと。
(nakazawa@cc.kogakuin.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
1. 微分,積分は自然を料理する際の包丁である。なまくら包丁では思うように料理はできない。十分自習すること。
2. 継続的な学習が重要なので出席を重視する。
3. 自分で問題を解くことは,理解を深める上で極めて重要である。選択科目の物理学演習Iを併せ履修することを強く勧める。
4. 高等学校での物理学の学習が十分でなかった者は,ギャップを埋める人一倍の努力をすること。
5. 学習支援センターを積極的に利用し、消化不良のまま放置しないこと。

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2008 Kogakuin University. All Rights Reserved.