2008年度工学院大学 第1部建築学科 建築学コース

世界の社会思想(Social Ideas in the Western World)[1411]

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2単位
荒川 敏彦 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 今年度は、「ヨーロッパからの視線」を対象化しつつ、東アジアとヨーロッパ、具体的には「儒教」「道教」と「キリスト教」における社会思想について検討します。
 21世紀は、宗教問題を見過ごせない世紀となりました。宗教は、単に個人の救済を問題にするだけでなく、世界全体を説明する理念でもあります。何十億という人間が、没入するにせよ反発するにせよ、宗教理念との関わりで世の中を生きています。わたしたちも、自分が信仰をもつかどうかに関わらず、この世界で生きている以上、そうした世界的環境のなかにいるわけです。講義で取りあげる大宗教について基礎的な理解も進めながら、現実に人びとが依拠している「理念」がどう「社会」と関係しているのかに目を向けていこうと思います。

<授業計画>
 中国とヨーロッパについて、社会思想と宗教のかかわりを儒教、道教、キリスト教の順に思想史を辿りながら検討する。「比較」の次元において、さまざまな理念の特徴を把握していく。

第1回 比較社会思想の視座
第2回〜第5回 儒教と社会思想
第6回〜第8回 道教と社会思想
第9回〜第12回 キリスト教と社会思想
第13回 まとめ

<成績評価方法及び水準>
 (1)授業にきちんと出席した者に対し、学期末に筆記試験を行う。
 (2)適宜、授業中に小レポートを書いてもらう。
 (1)と(2)を総合して、60点以上の者に単位を認める。
各文化圏の社会思想の基本的な特徴を理解し、簡潔に説明できるとともに、独自の視点から(独善的ではない)考察を行えるかどうかが評価の基準となる。

<教科書>
適宜、プリントを配布する。

<参考書>
「ヨーロッパからの視線」を知る手がかりとして、マックス・ヴェーバー『儒教と道教』(創文社)をあげておく。

<オフィスアワー>
授業終了後に教室で。

<学生へのメッセージ>
自分では「主観的」な思考や感情だと思っていても、必ず社会の影響を受けています。自分がどんな影響を受けているのか、また(世界にいる)他者がどんな影響を受けているかを知ることは、とても大切なことです。大学生でいるうちに〈社会を認識する〉という問題に取り組んでおくことを勧めます。

 

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