2008年度工学院大学 第1部情報通信工学科

物理学II(Physics II)[2564]

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2単位
中澤 宣也 教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
これまで学んできた「物理的な考察力」および「自分で考える姿勢」により,マクロ的な物理現象である「熱力学」,現代物理学の基本的な考えである場の理論へ通ずる「電磁気学」を中心に学んでいく。
このクラスは再履修クラスであるので,演習問題の解説などを通して理解の不十分であったところを補強するように配慮した進行となる。講義の開始時および最後に毎回小テストを実施する。
 以下に具体的な到達目標を示す。

  1. 熱効率の計算法の習得。
  2. エントロピーの理解と計算法の習得。
  3. マクスウェル方程式の理解と応用計算の習得。

<授業計画>

  1. 熱力学(I):気体の基本的な性質を現象論的にとらえ,熱とは何かを解説していく。
  2. 熱力学(II):気体の基本的な性質を気体分子の運動に起因すると考え,統計力学を基に考察していく。
  3. 熱力学(III):力学的エネルギー保存則を拡大解釈し,熱力学第1法則を解説する。
  4. 熱力学(IV):状態変化について、例題を取り上げながら理解を進めていく。
  5. 熱力学(V):熱機関とその効率について考察していく。
  6. 熱力学(VI):熱力学第2法則について解説をする。
  7. 中間試験
  8. 電磁気学(I):電気に関するガウスの法則を指導原理として,静電場について解説する。
  9. 電磁気学(II):電気におけるポテンシャルの考え方と,磁気への拡張,統一性を解説する。
  10. 電磁気学(III):電荷の時間変化を考え,直流による電気回路を説明する。
  11. 電磁気学(IV):アンペールの法則による,電荷の時間変化と磁場の関係を学ぶ。
  12. 電磁気学(V):ファラデーの電磁誘導を導き,マクスウェル方程式の積分形を構築する。
  13. 電磁気学(VII):マクスウェル方程式の微分形より電磁波の波動方程式を導き出す。

<成績評価方法及び水準>
中間試験,定期試験と講義中に行う小テストによる100点評価で行う。60点以上で合格とする。配点については,

  • 定期試験(100点満点)による評価
  • 定期試験(90点満点)+ 小テスト(10点満点)による評価
  • 定期試験(60点満点)+ 小テスト(10点満点) + 中間テスト(30点満点)による評価

とし,このうち,最もよい点数となったものを評価点とする。

<教科書>
新たな指定はしないので、以前に履修したクラスで使用したテキストを持参すること。

<参考書>

  • 「物理学演習テキスト」 (学術図書出版)
    「理解はしているのだが,問題が解けない」とか「試験だけだめなんだ」といった学生もいるかと思う。一概には言えないが,基礎的な内容を把握していながらそれを発揮できないのは,練習不足な場合に多々見られる。そういった意味では、演習のテキストによる訓練は有用であると考える。もちろん、ほかの演習テキストでもよい。大切なことは、それを半期通して続けることである。
  • 「裳華房フィジックスライブラリー・シリーズ」(裳華房)
    初学者には難しい内容も含まれているが,このシリーズには一度物理学を学んできた学生には非常に有用な書籍が多い。特に物理数学IおよびIIは,電気系学科が学ぶべき数学の内容を詳しく解説している点から,一度目を通すことを勧める。また,座標系の解説には「解析力学」などがよいであろう。この本については,特にデバイス関連に進もうと思っている学生にとっての必修分野である量子力学を学ぶ際にも役に立つはずである。
  • 「なっとくシリーズ」(講談社)
    「0からやり直したい」という学生向けの書籍は多々あるが,少なくともそれらの書籍だけでは「単位を取る」レベルまではいけないことは理解しておいてほしい。とはいえ,本当に自信がないとすれば,例えばここであげた「なっとくシリーズ」などを使って,まず「物理学」や「数学」に慣れることも大切である。

<オフィスアワー>
火曜日 12:30〜13:10 (八王子校舎1号館210室)

 

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