2008年度工学院大学 第1部情報通信工学科

物理学I(Physics I)[2503]

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2単位
中澤 宣也 教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
自然界は複雑,難解であるが,実際には単純解の重ね合わせが多い。そういった意味では,そこには万能な公式などは存在しない。本講義では、Newtonの運動法則,エネルギー・運動量の保存など基本的な法則性を紹介し,質点,質点系,剛体の運動記述について解説していく。
このクラスは再履修クラスであるので,演習問題の解説などを通して理解の不十分であったところを補強するように配慮した進行となる。講義の開始時および最後に毎回小テストを実施する。
 以下に具体的な到達目標を示す。

  1. 「1現象→1公式」の受験物理ではなく,基本法則に従った物理学の習得。
  2. 基本本法則の複合系への応用の習得。
  3. ポテンシャルの理解。

<授業計画>

  1. 講義概要説明と数学的準備:
    数学的準備として,ベクトル演算など講義に必要な知識を復習/解説する。
  2. 物理学の中の微積分1:
  3. 物理学の中の微積分2:
    座標,速度,加速度を基に,数学で学んだ微積分の知識を物理学的にとらえる。
  4. ニュートン力学の概要:
    質点の力学を通してニュートン力学の基本法則を解説していく。
  5. 運動方程式を使った運動の記述1:
    ニュートン力学の基本法則を基に,放物運動,空気抵抗などを例に取りながら自然現象の定式化を学ぶ。
  6. 運動方程式を使った運動の記述2:
    振動の様子を例に,運動の記述を学ぶ。
  7. 慣性系と非慣性系:
    慣性系と非慣性系について座標系を学び,慣性力について解説をしていく。
  8. 中間試験
  9. 仕事とエネルギー:
    工科系科目の基本概念である仕事とエネルギーの概念を解説する。
  10. 保存量の理解:
    エネルギーの保存に始まり,運動量,角運動量の保存など自然界を支配する「保存」の考え方を解説する。
  11. 2体の衝突問題:
    質点同士の衝突問題を題材に,運動量の保存について具体的に解説する。
  12. 相互作用としての重力:
    重力を万有引力の一面としてとらえ,自然界の力を相互作用として考察する。また,万有引力の例として,天体運動について考察していく。
  13. 剛体の運動と力のつりあい:
    広がりのある物体の運動を運動方程式に加えて,力のモーメントを含めて考察する。
  14. 定期試験

<成績評価方法及び水準>
中間試験,定期試験と講義中に行う小テストによる100点評価で行う。60点以上で合格とする。配点については,

  • 定期試験(100点満点)による評価
  • 定期試験(90点満点)+ 小テスト(10点満点)による評価
  • 定期試験(60点満点)+ 小テスト(10点満点) + 中間テスト(30点満点)による評価

とし,このうち,最もよい点数となったものを評価点とする。

<教科書>
新たな指定はしないので,以前に履修したクラスで使用したテキストを持参すること。

<参考書>

  • 「物理学演習テキスト」 (学術図書出版)
    「理解はしているのだが,問題が解けない」とか「試験だけだめなんだ」といった学生もいるかと思う。一概には言えないが,基礎的な内容を把握していながらそれを発揮できないのは,練習不足な場合に多々見られる。そういった意味では、演習のテキストによる訓練は有用であると考える。もちろん、ほかの演習テキストでもよい。大切なことは、それを半期通して続けることである。
  • 「裳華房フィジックスライブラリー・シリーズ」(裳華房)
    初学者には難しい内容も含まれているが,このシリーズには一度物理学を学んできた学生には非常に有用な書籍が多い。特に物理数学IおよびIIは,電気系学科が学ぶべき数学の内容を詳しく解説している点から,一度目を通すことを勧める。また,座標系の解説には「解析力学」などがよいであろう。この本については,特にデバイス関連に進もうと思っている学生にとっての必修分野である量子力学を学ぶ際にも役に立つはずである。
  • 「なっとくシリーズ」(講談社)
    「0からやり直したい」という学生向けの書籍は多々あるが,少なくともそれらの書籍だけでは「単位を取る」レベルまではいけないことは理解しておいてほしい。とはいえ,本当に自信がないとすれば,例えばここであげた「なっとくシリーズ」などを使って,まず「物理学」や「数学」に慣れることも大切である。

<オフィスアワー>
火曜日 12:30〜13:10 (八王子校舎1号館210室)

 

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