2008年度工学院大学 第1部電気システム工学科

心理学入門(Introduction to Psychology)[4356]

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2単位
矢島 正晴 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
一般社会では心理学というと何か神秘的なものと見なしたり、あるいはいくつかの心理学用語が本来の意味から離れて使われる傾向がある。この授業では、そうした「偏見」を脱して、”科学としての”心理学についての理解を深めることを第一の目標とする。扱うテーマはほとんどが基礎的な研究領域のものであり、観察、実験、調査といった科学的方法に立脚している。そこで、個々のテーマやトピックについての知識を得るだけでなく、それらがどのような方法を通じて明らかになったのかを具体的に知ることも重要である。この授業では、心理学的研究法のいくつかを、授業期間内に実施する「デモンストレーション実験」に自ら参加することで体験的に学習することも目標とする。

<授業計画>
第1週〔オリエンテーション〕授業の進め方、成績評価について概要を述べる。心理学の歴史と方法を概観する。
第2週〔行動の概念〕心理学の最も基本的な用語である「行動」について、その法則性をとらえるための見方を学ぶ。
第3週〔学習〕「行動の変容」としての学習の中でも、人間だけでなく他の動物にも通じる普遍的な学習プロセスを学ぶ。
第4週〔記憶〕人間の記憶について、認知心理学的なアプローチを紹介する。
第5週〔デモ実験1〕記憶実験の一つである「自由再生」をとりあげ、2種類の記憶の存在を示す。
第6週〔動機付け〕行動と内的な要求との関係を明らかにし、関連分野の「感情」や「適応障害」にも言及する。
第7週〔感覚〕主として精神物理学的法則(ウェーバー・フェヒナーの法則)について学習する。
第8週〔知覚〕「図と地」「錯視」「奥行き知覚」など、「感覚」という基礎過程を超えた環境把握のあり方について学ぶ。
第9週〔デモ実験2〕「ミューラーリヤー錯視」を通じて精神物理学的測定法を体験する。
第10週〔思考〕動物の問題解決から人間の論理的思考までを概観し、問題解決にとっての有効な条件を考える。
第11週〔性格1〕性格の類型論的把握と特性論的把握について、その代表的な理論を学習する。
第12週〔デモ実験3〕イメージ測定法によるデータを収集し、その統計的分析手法を通じて性格・知能研究の理解を深める。
第13週〔知能〕知能の諸理論と測定法、特に「知能指数」の意味について考える。
第14週〔定期試験〕

<成績評価方法及び水準>
原則として定期試験の結果にもとづいて、単位の認定を行うが、試験答案の採点に際しては、合格水準(60点)に満たないものについて、授業期間中に行う「デモンストレーション実験」についてのレポートが提出されていれば、20点を限度として評価し、試験の得点に加算して60点を与える。

<オフィスアワー>
木曜日16:20〜16:50

 

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