2008年度工学院大学 第1部電気工学科

ビークル応用(Rail Vehicle)[5C73]

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2単位
高木  亮 准教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
大規模なシステム工学である新幹線鉄道に代表される電気鉄道を中心に、都市交通用の公共交通機関である新交通システムやモノレール、LRT(ライトレールトランジット)、常伝導磁気浮上鉄道、さらに将来に期待のかかる超伝導磁気浮上式鉄道などの技術について、電気工学のカテゴリを越えて幅広く学ぶ。その上で、効率的で環境を保全する公共交通機関として、都市間及び都市交通問題の解決策を考えてもらうための講義としたい。電気工学科4年生だけでなく、交通問題や鉄道システムに興味をもつ多くの学生の受講を期待している。

<授業計画>
1.公共交通機関
 都市間及び都市交通における鉄道等公共交通機関の現状と諸問題

2.列車の走行
 車両の走行抵抗と駆動モータの速度−引張力特性と車輪とレール間の力の伝達

3.線路と車両
 線路の構造と機能・性能、車両の寸法・重量との関係、軌道の機能と性能

4.き電システムと集電
 き電システム:直流電化と交流電化、集電理論:電車線とパンタグラフ

5.直流モータ駆動システム
 直流および交流電源による直流電動機の速度トルク制御と機能・性能

6.交流モータ駆動システム
 直流および交流電源による交流電動機駆動とインバータの制御と機能・性能

7.車体と台車
 車体の構造と機能、台車の構造と機能と性能、車両振動、走行安定性などの諸問題

8.信号とブレーキシステム
 信号とブレーキシステム、自動列車停止・制御システム

9.列車運行管理システム
 列車運行管理システム、CTC、PRC、列車通信システム、列車情報システム

10.新しい交通システム
 新交通システム、モノレール、LRTなどの役割と構造・機能・性能

11.高速鉄道と磁気浮上式鉄道
 高速鉄道の歴史と現状、世界の高速鉄道、磁気浮上式鉄道の目的と構造・機能

12.環境保全
 大気汚染対策、騒音対策、振動対策、自然保護の手段と効果

13.保守技術
 鉄道の保守:車両、線路、き電設備などの保守方式と技術

<成績評価方法及び水準>
レポート課題を課し,これによって評価する。いわゆる出席点は当然与えないが,出席回数が一定の基準をみたさなければ単位を与えないから,出席は必ずすること。

<教科書>
なし。すべて電子教材により講義する。なお,単位取得に十分な出席回数を満たした者には,CD-ROM によりこの電子教材をまとめたものを渡す予定である。膨大な量があるので,不用意に14階で印刷などしないこと。

<参考書>
電気学会 電気鉄道における教育調査専門委員会編:「最新 電気鉄道工学」, コロナ社 (2000)

<オフィスアワー>
講義の前後に。あるいは,電子メール(アドレス:takagi@cc.kogakuin.ac.jp)によりアポイントメントをとったうえで、直接居室(新宿キャンパスA-2374室)を訪問すること。

<学生へのメッセージ>
交通分野に興味を持つ多くの学生の受講を期待しています。なお,電子教材は盛りだくさんで興味深いマテリアルをたくさん含んでいるものですが,このマテリアルを使う講義は今年度限りとなります。

<備考>
電気システム工学科3年生向けの講義「交通システム」とはかなり内容が重複するので,履修登録の際は注意すること。ただし,「交通システム」と「ビークル応用」は,今年度に限り異なる教材を使う予定である。

 

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