2008年度工学院大学 第1部マテリアル科学科
マテリアル組織論(Materials Structure)[5C10]
2単位 塩田 ー路 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 金属・セラミックスなどのマテリアルの特性は熱力学的に決定される組織、すなわち結晶粒径,結晶粒子形状,結晶方位,配向性などに依存する。本講義では,これらのマテリアルの組織を相平衡,相変態,組織変化,拡散などの側面から捉え,その操作原理を理解する.すなわち,種々のマテリアルの組成や温度の制御により得られる組織,および加工の方法による組織の変化などと特性の関係について論ずる。具体的な到達目標としては、必要な特性を得るための最適の組織制御法が選定できるようになること、組織を観察することにより材料の履歴が特定できるようになることである。
- <授業計画>
- 第1週 組織論の概念、熱力学の基礎(平衡状態図の基礎))(材料の科学と工学[1],pp11-35)
第2週 原子間結合と相安定性(平衡状態図の基礎)(材料の科学と工学[1],pp37-72) 第3週 一,二成分系の相平衡(平衡状態図の基礎)(材料の科学と工学[1]、pp117-122) 第4週 全率固溶型合金の状態図(材料の科学と工学[1]、pp122-132) 第5週 共晶型合金の状態図(材料の科学と工学[1]、pp132-144) 第6週 中間相・中間化合物が存在する平衡状態図(材料の科学と工学[1] pp144-151) 第7週 Fe-C系状態図(材料の科学と工学[1]、151-154) 第8週 Fe-C系状態図(材料の科学と工学[1]、155-167) 第9週 金属の相変態(等温変態)(材料の科学と工学[1]、pp169-187) 第10週 金属の相変態(連続冷却変態)(材料の科学と工学[1]、pp187-192) 第11週 Fe-C系の機械的性質(材料の科学と工学[1]、pp192-203) 第12週 合金の熱処理(材料の科学と工学[2]、pp125-148) 第13週 複合材料の組織 第14週 質疑、演習
- <成績評価方法及び水準>
- 内容のまとまりごとに実施する確認テスト、および定期試験の合計で評価する。その際、前者を40%、後者を60%とし、60点以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 材料の科学と工学[1] 「材料の微細構造」,W.D.キャリスター著,入戸野 修 監訳,培風館
材料の科学と工学[2] 「金属材料の力学的性質」」,W.D.キャリスター著,入戸野 修 監訳,培風館
- <参考書>
- 入門・金属材料と組織,日本熱処理技術協会編集,大河出版
図解 合金状態図読本,横山享著,オーム社
- <オフィスアワー>
- 新宿キャンパス1977号室 後期:木曜日16:30〜18:00、金曜日16:30〜18:00
- <学生へのメッセージ>
- 授業計画に講義予定内容と当該ページが記載されている週は、あらかじめ当該ページを読んでくること。身の回りのマテリアルを見た時に、そのマテリアルに必要とされる特性を考え,さらにはその特性を得るための組織はどのようなものでなければならないかを意識して欲しい。
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