2008年度工学院大学 第1部マテリアル科学科

無機物質合成化学(Synthetic Chemistry of Inorganic Materials)[4E21]

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2単位
大倉 利典 准教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 各方面で使われている素材は必ずある特定の形をしている。板、線、複雑形状体など材料を形にすることは重要である。とくにセラミックスのような素材では最初からある形態にすることを考えて製造される。本講義では微粒子、薄膜、単結晶をとりあげて、それぞれの製法と性質を学習する。このような分野において、実際に注文された具体的材料の合成法について大まかなプロセスを設計でき、その長所と短所を述べられることを目標とする。とくに「考える」習慣をつけたい。

<授業計画>
1.無機合成−合成反応、形状化、製品化(とくに身近な生活品にどのように使われているか)
2.微粒子・粉体とは(ナノ、ミクロ、凝縮系、身近な製品)
3.微粒子の性質(メゾスコピック、クラスター、粒度、物性変化)
4.粉体とその性質−凝集・分散(1・2次粒子、粒子充填、圧粉体、気孔)
5.微粒子の合成−Build up法とBreak down法(凝縮プロセス、過飽和、臨界核、細分化プロセス)
6.液相法(共沈、均一沈殿、エマルション、ゾル-ゲル法(アルコキシド)、単分散粒子、均一核生成)
7.気相法(過飽和とKp、スモーク粒子、捕集)
8.Break down法(粉砕、メカノケミカル効果、噴霧法)
9.薄膜とは(厚膜、コーティング、メッキ、身近な製品)
10.成膜原理(過飽和、吸着、脱離、核生成、膜生成機構)
11.成膜法各論(蒸着法、スパッタリング、CVD、PVD、Sol-gel法、MOD法)
12.結晶育成と単結晶(過飽和、過冷却、シード)
13.結晶成長(コッセル結晶、成長機構)
14.結晶育成法(フラックス、引き上げ、水熱、浮遊帯など)

<成績評価方法及び水準>
 定期試験の成績を中心に、授業中に課す演習課題に対して提出された回答結果を10%程度加味して評価し、60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
 プリントを配布する。

<参考書>
「工学のための物理化学」永井,片山,大倉,梅村 著(サイエンス社)

<オフィスアワー>
 木曜日 17:50〜18:50

<学生へのメッセージ>
 合成法は多岐に渡っているが、その基礎となる考え方にはほとんど変わりないので、原理と考え方を学ぶ。「考えること」を中心とする。

 

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