2008年度工学院大学 第1部マテリアル科学科

医療福祉マテリアルI(Medical and Welfare Materials I)[3B12]

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2単位
塩田 ー路 非常勤講師
木村 雄二 教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
医療・福祉材料には強度、耐食性といったマテリアルの力学的性能だけでなく、生体とのなじみのよい生体親和性、アレルギー、炎症、毒性などを示さない生化学的安全性、といった生体との適合性が必要とされる。最近では、生体の自己修復作用を活性化させる材料設計や生体成分との複合材料の開発が注目されている。ここでは金属とセラミックスの医療・福祉分野への適用を目的とした材料の機能性の発現とその原理などについて解説する。

<授業計画>
第1週 医療福祉材料とは:Intro.
第2週 医療福祉材料の分類:硬組織・軟組織代替材料、無機材料、有機材料
第3週 医療福祉(生体)材料に必要とされる特性・機能とその現状:概説
第4週 耐食性1:腐食の基礎
第5週 耐食性2:E−pH線図、不働態化
第6週 力学的特性1:静的強度、硬さ
第7週 力学的特性2:静疲労、繰返し疲労、接触疲労
第8週 生体適合性:In-vitro細胞毒性、In-vivoインプラント
第9週 金属材料1:ステンレス鋼、Ti合金
第10週 金属材料2:Ni-Ti形状記憶合金
第11週 バイオイナートセラミックス:合成、物性
第12週 バイオアクティブセラミックス:合成、物性
第13週 トピックス:生体と微量成分、アパタイト研究最前線など
第14週 期末試験

<成績評価方法及び水準>
授業への出席による平常点(成績評価の15%)、Quiz への回答およびレポート提出(成績評価の15%)、期末試験成績(成績評価の70%)などにより総合的に評価する。

<教科書>
プリントを配布する

<参考書>
1.日本化学会編、医用材料の化学(化学総説21)、東京大学出版会(1978)
2.筏 義人著、基礎生体工学講座 生体材料、産業図書(1994)
3.金属およびセラミックスに関する一般書籍

<オフィスアワー>
(木村)新宿校舎:毎週金曜日 15:00〜17:00,1974号室,E-mail:kimura@cc.kogakuin.ac.jp
(塩田)新宿校舎:後期木曜日 16:30〜18:00,1977号室,E-mail:i-shiota@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
無機系材料は,若い諸君にとっては交通事故などによる骨格系傷害の修復素材としてなくてはならない素材になっている。また,高齢化による骨折などで修復材料が必要なことが起こりうる.このような観点から,自分のこととして医療・福祉材料を考え,材料科学的見方を深めてほしい。

 

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