2008年度工学院大学 第1部マテリアル科学科
医療福祉マテリアルII(Medical and Welfare Materials II)[1A10]
2単位 横山 昌幸 非常勤講師 中山 正道 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 医療・福祉に用いられるマテリアルのうち、特に内臓や血管・血液など軟組織と直接、あるいは間接的に接触して用いられる材料に関し、その特性、生体成分との相互作用挙動を前半の6回の講義で解説する。後半では、新規な薬物治療システムであるDDSに用いられ、血液内、経口など多様な経路で投与される材料を解説する。
- <授業計画>
- 1.「バイオマテリアルとは:概論」(担当:中山)
講義の概要を紹介するとともに、バイオマテリアルの概念、表面特性とその解析法について講義する。 2.「バイオマテリアル表面と生体成分との相互作用」(担当:中山) バイオマテリアル表面と細胞、タンパク質との相互作用 3.「バイオマテリアルとその応用」(担当:中山) 人工臓器(人工腎臓、人工肝臓、人工肺、人工心臓、人工血管、など)、の概要と、それらに利用される材料に要求される特性 4.「高分子ゲルとそのインテリジェント化」(担当:中山) 高分子ゲルの概念とその環境応答性とその人工筋肉、弁としての応用。 5.「バイオセパレーション」(担当:中山) 生理活性物質や特定の細胞を分離・精製するために用いられる材料とその応用。 6.「再生医療と細胞シート工学」(担当:中山) 再生医療に用いられる高分子材料とその研究例について紹介する。 7.「バイオマテリアルのための高分子合成」(担当:横山) バイオマテリアルとして利用される高分子の合成法 8.「ドラッグデリバリーシステム(DDS)概論」(担当:横山) DDSの目的、方法論について 9.「DDS(1)」(担当:横山) コントロールドリリースの理論と応用 10.「DDS(2)」(担当:横山) 吸収改善の目的と実例 11.「DDS(3)」(担当:横山) ターゲティングの方法と実例 12.「DDS(4)」(担当:横山) 遺伝子デリバリーの方法と実例 13.「予備」 14.「期末試験」
- <成績評価方法及び水準>
- 授業への出席による平常点(30%)、期末試験成績(70%)、から総合的に判定する
- <参考書>
- 1.「バイオマテリアル」中林・石原・岩崎 著、コロナ社(2001)
2.「新バイオサイエンスシリーズ ドラッグデリバリーシステム-創薬と治療への新たなる挑戦-」橋田充著、化学同人(1995) 3,「改訂 図解夢の薬剤DDS」堀了平監修、橋田充編集、じほう(1997)
- <オフィスアワー>
- 中山:東京女子医科大学 E-mail:mnakayama@abmes.twmu.ac.jp
横山:神奈川科学技術アカデミー E-mail: yp-yokoyama2093ryo@newkast.or.jp
- <学生へのメッセージ>
- バイオマテリアルは、従来の汎用高分子材料から、生体との相互作用の理解とともに、より積極的に相互作用を制御し、機能を発現する材料開発へと発展してきている。本講義で紹介する例ばかりでなく、さまざまな発展が望まれる分野であることに理解を深めてほしい
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