2008年度工学院大学 第1部マテリアル科学科

物理化学演習II(Practice of Physical Chemistry II)[1162]

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1単位
門間 英毅 教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
化学を学ぶ上で重要な原子構造,電子配置,電子の波動性といった化学結合の本質と化学結合の形成を伴う化学反応の解析方法を演習問題を通して習得する.具体的な達成目標は以下に示す.
(1) 原子構造,化学結合,原子軌道,分子軌道等の原子・分子の世界を図的イメージできるようにする.
(2) 数値計算力,応用力を養う.

<授業計画>
第1週 電磁波エネルギー,水素の原子スペクトルと経験則と電子のエネルギーの計算
第2週 ド・プローイ波,波動方程式,波動関数と軌道エネルギー計算の手順
第3週 多電子原子の電子配置:波動関数が3つの量子数で解をもつことと各量子数の物理的意味,電子雲の角度依存性の図形,パウリの排他律とフントの規則,構成原理の演習
第4週 原子価結合法:イオン化エネルギー,電子親和力,電気陰性度,イオン間クーロンエネルギーの内容の復習,化学結合におけるイオン性(共有性)の計算
第5週 分子軌道法:原子軌道の一次結合によって分子の波動関数とする分子軌道(LCAO)法,その計算過程で出てくる重なり積分,クーロン積分,共鳴積分,波動関数の直交性と規格化の物理的な意味,等核2原子分子の分子軌道表示と電子配置の演習
第6週 混成と共鳴:化学結合における混成軌道の概念の復習,結合の方向性と分子形の推察,共鳴の概念
第7週 反応速度論:反応速度の概念と速度式の導出および速度定数の計算
第8週 反応次数の決定:積分法,半減期法,微分法による反応次数と反応速度の計算
第9週 反応機構(1):単純反応の解析
第10週 反応機構(2):可逆反応の解析
第11週 反応機構(3):逐次反応の解析
第12週 反応機構(4):反応速度定数の温度依存性からアレ―ニウスの式を適用した活性化エネルギーの算出
第13週 触媒反応機構:吸着等温式,酵素反応式の導出とこれらを用いてた計算

<成績評価方法及び水準>
定期試験で最終成績を評価,60点以上の者に単位を認める.
ただし,試験の点数が50点以上60点未満かつ毎週の宿題問題の総得点を12週で平均して60点以上の者には最終成績を60点とする.

<教科書>
「基礎演習 物理化学」「磯 直道」「東京共学社」

<オフィスアワー>
月曜日 11:00〜12:00

<学生へのメッセージ>
講義科目「物理化学II」の理解を深めるための演習である.

 

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