2008年度工学院大学 第1部環境化学工学科

機能材料プロセス(Functional Materials Processing)[5A08]

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2単位
杉山 正和 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
LSI、半導体レーザー等の電子・光デバイスを作製するための微細構造形成技術を紹介する。各論的な理解ではなく、物理化学的背景を理解に重点を置く。たとえば、薄膜を形成するための化学気相成長(CVD)プロセスは、反応工学の見地から理論的に説明できる。このように、化学工学をベースに材料合成プロセスを論じることを目標とする。

<授業計画>
1. なにを作るか:物性論の基礎
 結晶材料とバンドギャップ、p-n接合、電子デバイスと光デバイスの構造
2. いかに作るか:デバイス作製プロセスの実際
 C-MOSデバイス作製プロセス、半導体レーザー作製プロセス
3. さらに詳しく:薄膜作製プロセス
 塗布法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)
4. 薄膜作製プロセスを理解するための基礎
 4.1. 気体の分子運動論
 4.2. 物質移動の駆動力と速度
 4.3. 反応の駆動力と速度
5. CVDプロセスと反応工学
 5.1. 製膜速度分布
 5.2. 反応律速段階
 5.3. トレンチカバレッジとシーレモジュラス
6. プラズマプロセスの基礎(時間があれば)
 6.1. プラズマとは
 6.2. 各種プラズマ源
 6.3. シースの形成とイオンエネルギー

<成績評価方法及び水準>
毎回の講義中に小テストを行う。また,講義内容に即したレポート課題を3回出す。成績評価は,小テストの5割,レポート課題5割で行う。

<教科書>
講義中に毎回資料を配布する。

<オフィスアワー>
授業時間のみ。

<学生へのメッセージ>
半導体デバイスというと化学工学とは縁がない項目と思うかもしれませんが,デバイスメーカーでも化学工学をバックグラウンドに持つ技術者・研究者が多数活躍しています。講義の最初には「バンドギャップ」,「pn接合」などという物性物理入門的な内容も扱いますが,予備知識がなくてもわかるように簡単に説明します。デバイスがどのような動作原理で機能しているかをある程度理解したうえで,その作製プロセスを学習することは非常に重要です。

 

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