2008年度工学院大学 第1部環境化学工学科

表面工学(Surface Chemical Engineering)[1C07]

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2単位
上松 敬禧 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
表面の構造や物理・化学的性質は予想を越えて多彩であり、時には物質、材料の重要な機能が“表面”で決定されていることも多い。20世紀後半には工学的に重要な多くの表面機能材料が開発され、高度科学技術社会に不可欠な最先端のナノテクを担っている。そこで、表面の構造、性質、反応性、表面加工・処理の基礎を学ぶと同時に、持続的地球環境を視野に入れたナノテクノロジー、環境関連技術を含む応用について講述する。さらに幅広い実用面での重要性を理解し、身近な表面機能材料に関する正確な知識と判断力を高めることを目的として“考える講義”を実践します。

<授業計画>
【 I 基礎編 】
1.はじめに−表面工学とはなにか:先端技術を支える基礎技術
2.表面とはなにか:固体表面とバルク、表面ナノ構造とは、配位不飽和、表面残基
3.表面・界面の特性と反応性:表面エネルギー、構造緩和−再配列、分散度、表面の反応性
4.吸着とはなにか:物理吸着と化学吸着の現象と理論、BET多層吸着モデルと応用
Langmuir化学吸着モデル、吸着熱
5.化学吸着:選択性、解離・非解離、吸着サイトと吸着種の構造、反応性
6. 表面構造解析、表面物性の測定、吸着種の同定  
7. 液体表面のエネルギー、濡れと接触角、表面の親水性・疎水性、Young-Laplace式
8.基礎編のまとめ(中間討論とレポート)
【 II応用編 】
9.接着・粘着、
10.表面処理・加工:腐食、防食、塗装、摩擦、磨耗と潤滑、表面改質
11. 超微細加工:表面研磨、蒸着、フォトレジスト、プラズマ加工とLSI, ナノデバイス設計  
12.薄膜の世界:単層膜、多層膜、有機−無機機能性膜
13.超微粒子の世界: ナノ粒子、クラスター、研磨剤、新炭素材、インクジェット
14.表面の化学機能、表面錯体、触媒機能、
15.期末筆記試験

<成績評価方法及び水準>
1 講義中に小問(10回予定)を課し、平常点として5点法で採点する。2 基礎編のまとめとして中間レポートを課し10点法で採点する。3 期末筆記試験を実施する。1、2の各合計点と3の結果を4:1:5の割合で総合評価し、60点以上を合格とする。

<教科書>
対応する分野を網羅した適切なテキストがないため指定教科書はない。必要な講義資料は毎回配布する。

<オフィスアワー>
月曜日13時〜15時

 

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