2008年度工学院大学 第1部環境化学工学科
○物理化学実験(Physical Chemistry Laboratory)[4112]
2単位 高瀬 久男 非常勤講師 内田 雅樹 講師 [ 教員業績 JP EN ] 飯田 肇 講師 [ 教員業績 JP EN ] 並木 則和 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 物理化学実験の基本操作として、質量、温度、圧力、容積、交流電流、電圧の測定を行い、物理化学的現象である液体の粘度、気体の状態、相変化に伴うエンタルピー変化および中和熱の測定をする。実験を通じて物理化学的なものの見方と考え方を養い、自然現象の客観性を理解する。
- <授業計画>
- 1週目は物理化学実験のガイダンスを行う。2週目から下記 4テーマで実験を行う。
実験A. 水の相変化に伴うエンタルピー変化の測定 氷に連続的に熱を加えると状態が変化して、水になり水蒸気になる。この過程で氷の融解熱、水の顕熱、水の蒸発熱をそれぞれ測定し、水の相変化に伴うエンタルー変化が相変化を伴わない場合に比べて、いかに大きいかを理解する。この現象は何に起因しているかを考える。相図についても学ぶ。 実験B. エタノール−水系の粘度測定 エタノール〜水系の粘度を温度一定条件下で測定すると極大値を持つ。この極大値は何に起因しているかを考えてみる。また、粘度測定法や高分子溶液の粘度についてもあわせて勉強する。 実験C. 定容条件における気体圧力と温度の関係の測定 実在気体(ヘリウム、二酸化炭素)の定容条件における圧力と温度を測定し、van der Waals状態方程式の係数a, bの値を求める。また、実験結果を理想気体の式と比較することで、実在気体の性質の理解を深める。 実験D. 中和熱の測定 水酸化ナトリウムと塩酸の中和反応について、異なる2つの反応経路における反応熱を測定し、ヘスの法則が成立するか確認する。実験を通じて、熱力学第一法則や熱化学方程式について学ぶとともに、酸・塩基性物質の取り扱いについて習得する。
- <成績評価方法及び水準>
- 物理化学実験の採点は、各テーマについて, 講義, 測定および結果の討論に出席し, レポートが受理されることが必要である。評価方法は各テーマを100点満点として、以下のように評価し、4テーマの平均が60点以上を合格点とする。
1. 実験に取り組む姿勢 (30点) ○ 遅刻しないで実験に出席しているか。 ○ 各自、実験条件や測定値を実験ノートに整理、記録しているか 2. レポートの評価 (70点) ○ 測定値の正確性 ○ 問題点を解決する能力 ○ レポートの完成度
- <教科書>
- 「2007年度 物理化学実験テキスト」環境化学工学科 物理化学実験担当者編(生協で販売)
- <参考書>
- アトキンス物理化学(上)千原英昭・中村亘男訳,東京化学同人
物理化学の本はたくさん出版されているので, テーマに関連した本を探し, 予習と復習を勧める。
- <オフィスアワー>
- 実験に関する質問はその場で済ますことが望ましい。それ以外はE-mailで教員に申し出て予約をとること。
高瀬 久男 (八王子校舎) bt66082@ns.kogakuin.ac.jp 並木 則和 (八王子校舎) 飯田 肇 (八王子校舎) iida@cc.kogakuin.ac.jp 内田 雅樹 (八王子校舎) m-uchida@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 実験の授業を楽しく履修するには、実験テキストを何回も読み直し, 内容をよく理解した上で測定に臨むことである。きっと実験が楽しくなり、興味が生まれることでしょう。レポート作成は, その日の内に取り組むことを勧める。提出日前夜では時間に余裕がなく, 自分自身納得のいくレポート作成が困難になる。
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