2008年度工学院大学 第1部環境化学工学科

数学I(Mathematics I)[2413]

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2単位
片野 修一郎 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
専門課程で数学が必要になった時、きちんと使えるように、微積分の概念的な理解と実際の運用技術の修得の両方を目標とする。余裕があれば、論理体系の典型としての、また人類が築いた壮大な思想体系としての数学の側面も味わって欲しい。具体的には、(1)関数・極限・微分の意味を理解し、いろいろな関数の導関数が求められること(2)Taylorの定理の意味を理解し、いろいろな解析関数のTaylor展開ができること(3)積分の計算技術を身につけること、を主な目標とする。

<授業計画>
1.ガイダンス/イントロダクションのお話/極限概念
2.関数とは?(概念・極限・連続性)
3.導関数とその基本的性質
4.初等関数の導関数I(合成関数の微分法)
5.逆関数とは?(逆三角関数/逆関数の微分法)
6.初等関数の導関数II/演習
7.高次導関数・Leibnitzの公式/演習
8.平均値の定理・不定形の極限/演習
9.Taylor/Mac'Laurinの定理とその意味
10.Taylor/Mac'Laurin展開/演習
11.積分とは?(Riemann積分の定義)
12.不定積分の計算技術I(置換積分法)/演習
13.不定積分の計算技術II(部分積分法/有理関数の積分)/演習
丁寧に話すつもりなので、上記の内容のうちのあるものは時間不足で扱えなくなる可能性があります。

<成績評価方法及び水準>
期末試験一回で評価。授業時に配布する演習問題のプリント中から出題する予定。
他に、時間の許す限り授業時に演習を行うので、黒板で解答をした者には平常点を与え、試験の点数に加算する。また、授業時の質問に答えた場合やレポート課題を提出した場合も適宜平常点を与える。以上の合計点が基準に達した者を合格とする。評価は厳格に行い、追試措置等は一切しない。

<教科書>
授業は教科書の通りに進めるわけではないので、自分の気に入った本があればそれを用意すればよい。教科書としての微積分の本はどれも大同小異である。最近は、学生の学力が多様化し、それに応じて様々なスタイル・レベルの本が出ているので、自分の実情に合った、自分にとって読みやすい本を選んでそれを手元に置いておくのが一番よいと思う。四年間使えるのだから、理工系の学生として微積分の本は必ず一冊は手元に置いて、必要な時にいつでも参照できるようにしておかなければならない。一応、標準的な教科書として次を挙げておく。
石原 繁・浅野 重初「理工系の基礎 微分積分」(裳華房)

<参考書>
一回目の授業時に紹介する。最近はいろいろなタイプの微積分の参考書が出版されている。新宿には大書店がいくつかあるので、足を運んで、実際に手に取って、自分の気に入ったもの・自分のニーズに適ったものを選ぶのが一番よい。

<オフィスアワー>
授業の前後の休み時間、新宿校舎12階講師室で。質問歓迎します。

<学生へのメッセージ>
なるべく基礎・基本から話すつもりだが、半期で13回の授業で手取り足取りあらゆることをカバーするのは不可能である。授業が本格化する前に、高等学校の数学はできる限り復習しておいて欲しい(これは強くお願いする)。高校数学に比べて、内容もスタイルもより概念的に難しくなるので、公式を暗記して問題を解いて終わり、という姿勢とはおさらばしなくてはならない。また、説明に多くの時間が割かれるので、問題演習を通して「徹底的にわかるまで考える」という態度を、自主的な勉学で身につけることに大きなウェイトがかかっていることを認識して欲しい。

 

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