2008年度工学院大学 第1部応用化学科

生物物理化学(Biophysical Chemistry)[3C06]

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2単位
笠井 久隆 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
生体内反応を分子間の相互作用とエネルギー変換、さらにエネルギー代謝とに基づいて理解するために必要な物理化学の基礎を再学習し、いくつかの主要な生命現象に適用して講義・考察する。
達成目標:1)たんぱく質・核酸の高次構造を支配する物理的要因を理解すること;2)生体高分子の分離、分析法の原理を理解して活用すること;3)生体酸化還元反応、生合成反応のエネルギー的基礎を理解すること;4)生物におけるエネルギー変換と時間の発現の分子的基礎を養うこと

<授業計画>
以下の項目にしたがって講義するが、授業の進捗状況により変更することがある。
1.生命現象の物理化学と生命の起源に関する理論的考察
2.化学熱力学の復習(エンタルピー、エントロピー、自由エネルギー)と開放系の熱力学
3.分子間相互作用--液体としての水の物理化学、核酸の構造
4.分子間相互作用--たんぱく質の構造
5.生体高分子の分離と分析(1)クロマトグラフィー
6.生体高分子の分離と分析(2)電気泳動、遠心分離
7.化学反応、自由エネルギー変化と生体高分子の安定化要因
8.生体のエネルギー代謝と高エネルギー化合物
9.エネルギー変換(ATP分解と分子運動)
10.酸化還元反応、電子伝達とプロトン駆動力
11.ATP合成酵素の反応機構とエネルギー効率
12.生物時計の分子基盤 
13.まとめ

<成績評価方法及び水準>
定期試験で最終成績を評価、60点以上の者に単位を認める。試験の点数が僅かに60点未満の者にはレポート提出を認め、レポート内容が単位認定相当と判断される場合は最終成績を60点とする。

<教科書>
ヴォート「基礎生化学」(東京化学同人、第2版、2007年);授業には必ず持参すること。

<参考書>
適宜授業時間中に紹介する。

<オフィスアワー>
水曜日14:30〜17:00(20階教官室)、その他の時間はメールで予約してください。

<学生へのメッセージ>
頭を柔軟にして、生命の神秘に基礎科学から再挑戦しよう。

 

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