2008年度工学院大学 第1部応用化学科
医薬品開発(Development of Medicine)[3A07]
2単位 溝上 一敏 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 医薬品の開発は領域横断的な総合的プロジェクトである。そこでは、疾患・病態に関する文献情報の収集、あるいは薬理実験の結果から標的分子を設定(生物学、生化学、病理学)して、それに有効な物質を探索(生化学)し、効力・安全性の評価(薬理学、生理学)、最適化(有機化学)など、様々な学問領域が総合的に係わり合い、慎重な臨床試験を経て新しい薬が誕生する。そのような開発現場で起こっていること、考えられていることに触れることにより、医薬品開発の面白さと、そこに携わる者に何が求められているかを学ぶ。
以下に具体的な達成目標を示す。 1.開発の標的を選ぶ際に、考慮するべきことを理解する。 2.創薬研究の段階的な進め方と、各段階で考慮すべきことを学び、リード化合物の概念およびその最適 化の過程を理解する。 3.臨床試験と承認申請のアウトラインを理解する。 4.医薬品の品質とその安全性がどのようにして保障されているかについて理解する。
- <授業計画>
- 1.医薬品開発の流れー全体像ー
2.医薬品開発のコンセプト:新規医薬品、ジェネリック医薬品、オーファンドラッグ、一般薬 開発にあたって考慮する要因ー具体例をまじえて 3.リード化合物の探索:標的の選択と評価系の構築、ならびにスクリーニングの実施 4.リード化合物の選択:リード化合物になり得る条件 5.リード化合物の最適化:構造活性相関、物性、薬物動態 6.前臨床試験:前臨床試験とは何か、また何を行うか? 7.臨床試験:臨床試験の意義、決まりごと、内容、進め方、むずかしさ 8.承認申請から承認まで 9.市販後調査とその重要性 10.医薬品開発の規範、開発と知的財産権 11.開発の具体例(1) 12.開発の具体例(2) 13.全体のまとめ
- <成績評価方法及び水準>
- 原則として定期試験の結果で最終成績を評価し、60点以上の者に単位を認める。試験の結果が60点未満の者には、レポートを提出させ、その内容が単位認定相当と判断される場合には、最終成績を60点とする。
- <教科書>
- なし。
- <参考書>
- 特になし。
- <オフィスアワー>
- 水曜日午前9時から午前10時50分まで(講義する教室)。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2008 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|