2008年度工学院大学 第1部応用化学科

生物の分析化学(Analytical Chemistry for Biology)[1A07]

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2単位
北原 恵一 非常勤講師

最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 1906年に M.Tswett によって始められたクロマトグラフィーは1世紀を経て飛躍的な進歩を遂げ、分離分析法の中心的存在として、現在、化学の分野を越えて広く活用されている。
 この授業では主にガスクロマトグラフィー(GC)と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を取り上げ、その基礎的事項を解説する。また、主要な生体成分である脂質、糖質、アミノ酸・タンパク質、核酸等の分析法において、各種クロマトグラフィーが急速な進歩をもたらし、この分野の研究には欠くことのできない分析方法となっている。現在行われているこれらの分析方法を取り上げ、どのような原理で分離分析されるかを中心に解説する。
 以下に具体的な達成目標を示す。
 (1) クロマトグラフィーで用いられる用語を説明できる
 (2) クロマトグラフィーにおける分離の原理を説明できる
 (3) クロマトグラフィーの種類と特徴を述べることができる
 (4) クロマトグラフィーで用いられる検出器の構造と特徴を述べることができる
 (5) 固定相の種類と特徴を説明できる
 (6) 各種クロマトグラフィーにおける分離条件の最適化を説明できる
 (7) 生体成分の分離がどのような性質を利用して達成されるかを説明できる
 (8) 生体成分の検出がどのような性質を利用して達成されるかを説明できる

<授業計画>
第1週 [分離分析法、GC]分離分析法とクロマトグラフィーを概説し、GCについて解説する。
第2週 [HPLC]分離分析法の中で重要な位置を占めるHPLCについて基礎的事項を中心に解説する。
第3週 [HPLC]HPLCを用いるより発展した分析法について解説する。
第4週 [その他の分離分析法]超臨界流体クロマトグラフィー、電気泳動、固相抽出などの分離技術について解説する。
第5週 [脂質の構造と性質]脂質の構造と性質について、分離分析の観点から解説する。
第6週 [脂質の分析]GCおよびHPLCを用いる脂質の分析法について解説する。
第7週 [分離分析法と脂質のまとめ]中間試験
第8週 [糖質の構造と性質]糖質の構造と性質について、分離分析の観点から解説する。
第9週 [糖質の分析]主にHPLCを用いる糖質の分析法と、最近注目されている糖鎖の分析法も併せて解説する。
第10週 [アミノ酸・タンパク質の構造と性質]アミノ酸・タンパク質の構造と性質について、分離分析の観点から解説する
第11週 [アミノ酸・タンパク質の分析]電気泳動法やHPLCを中心に、アミノ酸・タンパク質の分析法を解説する
第12週 [核酸の構造と性質]核酸の構造と性質を分離分析の観点から解説する
第13週 [核酸の分析]キャピラリー電気泳動を用いた核酸の分析法を中心に解説する
第14週 定期試験

<成績評価方法及び水準>
 原則として、中間試験と期末試験の2回の試験の平均点が 60点以上を合格とする。また、特別な理由がなく出席が総授業時間の 2/3 に達しないものは、試験を受ける資格がないものとする。

<教科書>
特に使用しない。

<参考書>
講義時間の中で紹介する。

<オフィスアワー>
月曜日1時限目の授業終了後20分間、新宿キャンパス12 階講師室で。

<学生へのメッセージ>
毎回15 分程度、授業時間内に演習問題を課す。疑問点があればこの時間を活用すること。

 

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