2008年度工学院大学 第1部応用化学科

化学者のための機械工学(Mechanical Engineering for Chemist)[4161]

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2単位
宮坂 勝利 准教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
機械工学はあらゆる分野で幅広く活用されており応用化学の分野とも密接な関係がある。これからの技術者は地球的視点にたち物事を総合的に考える能力が必要となってくるので,機械工学を利用する際に必要な基本的事項ばかりでなく,それらをどのように活用したらよいかを含めて易しく講述したい。以下は具体的な達成目標である。
(1)われわれの生活に機械はどのような役割を演じてきたか,また,今後はどうあるべきかを理解できること。
(2)国際的な見地からの互換性,規格などを理解すること。 (3)機械に使用されている主要な材料とその性質について理解する。 (4)材料を目的の性能を引き出すための加工法や処理法に関する知識を習得すること。(5)歯車,ベアリング,ばねなどの機械要素と,機械設計に必要な材料力学的な基本の考え方,事故例等について学び理解すること。






<授業計画>
第1回[機械と環境]機械は生活にどう影響してきたか。機械(machine)と道具(tool)。化学の分野や
    電気の分野との関わり(marginality)について学ぶ。
第2回[JISと国際単位系]機械に関する日本工業規格や国際規格,互換性などについて学ぶ。
第3回[機械材料の性質(1)]機械材料として使用されるための条件,主要な金属材料とその性質,
    用途などについて学ぶ。
第4回[機械材料の性質(2)]強度を重視する材料,耐熱・耐摩耗を重視する材料などについて学ぶ。
第5回[特殊材料]焼結金属,チタン合金,形状記憶合金,アラミド繊維,超伝導材料,水素貯蔵合金
    などの特殊材料とその用途について学ぶ。
第6回[材料力学,機械力学]機械設計に必要な材料強度,応力,ひずみとは?それを設計にどう生かす    か?簡単な例をもとに基本の考え方を学ぶ他,自動車に関わる力学的問題等について学ぶ。
第7回[熱力学、水力学]熱力学,水力学の基本を説明しエンジンとの関係,キャビテーションによる腐    食等について説明する。
第8回[金属材料の熱処理]材料の機械的性質を改善するための加工法の一つである熱処理(焼入
    れ,焼きなまし,焼きならし,侵炭,窒化)とその特徴などを鋼を例にとって学ぶ。
第9回[機械要素]ネジ,ばね,歯車,カム,ベアリングなどの機械要素について学ぶ。
第10回[鋳造]基本的な鋳造法からダイカスト,遠心鋳造法などの他、ラピッドプロトタイピング等の新    しい技術について、その加工法と特徴,用途などを学ぶ。   
第11回[圧延,プレス加工,引き抜き]塑性加工のうちよく使用される圧延,プレス,引き抜き加工な
    どについてその特徴,用途を紹介する。また,塑性加工と切削加工の基本的な違いを学ぶ。
第12回[溶接,接合、放電加工]融接,圧接,ろう接の中からアーク溶接,レーザー溶接など代表的なも    のを選んでその特徴,使用例などを説明する。また、放電加工等の特殊加工を説明する。
第13回[これからの機械]NCとマシニングセンター,工業用ロボット,センサーの発達,ナノの領域
    など最近の状況を紹介し,化学者が機械に親しむようにしたい。

<成績評価方法及び水準>
出席状況および期末試験の結果60以上の者に単位を認める。ただし,試験の結果が50点以上60点未満、かつ出席が6割以上の者にはレポートの提出を認め、レポートの内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。

<参考書>
「わかりやすい機械工学」松尾哲夫ほか共著(森北出版)、プリント

<オフィスアワー>
木曜日1時限終了後(10:30〜13:00)

<学生へのメッセージ>
授業の始めに前回の授業の簡単なまとめをした上で次の項目に移るので,要点を聞き逃さないよう期待する。

<参考ホームページアドレス>
E-mail:at66060@ns.kogakuin.ac.jp

 

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