2008年度工学院大学 第1部機械システム工学科

機能性材料(Functional Materials)[5C72]

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2単位
湯本 敦史 講師  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 我々の身の回りにあるほとんどの“機械”は半導体やセンサなどの部品が組み込まれ,機能性材料のテクノロジが活用されている.現在では新しい機能性材料の出現や機能性材料の高機能化が機械の性能を決定する主要因の一つとされ,これまで産業の米と言われてきたベアリングに代わり,半導体が新しい産業の米と言われるまでになってきている.
 本授業は,将来のエンジニアとして機能性材料を理解する手がかりを得ることを目的とし,原子構造,量子数と軌道,結合と物性など機能性材料の基礎から,半導体材料,磁性材料,光・電子材料など個々の材料についての材料科学と実際のデバイス作製プロセスについて概説する.本講義では取り扱う分野は広範囲に及ぶため,材料科学の基礎を解説したあとは発展著しい機能性材料の最新のトピックスをできるだけ取り上げ授業を進める.
(JABEE 機械システム基礎工学プログラムの学習・教育目標) D-1:◎,B-1:○
(JABEE 基本キーワード)工業材料の種類,工業材料の性質,性能評価
(JABEE 個別キーワード)機能的特性,材料試験法

<授業計画>
1:ガイダンス
  材料系科目との関連,構造材料と機能材料の定義.「機能性材料」を学ぶ意味を,身近な例によって理解する.
2:機能性材料にはどのようなものがあるか.
  磁性材料,誘電材料,半導体材料,光・電子材料,導電・抵抗・絶縁・超電導材料.最新のスマートマテリアルの開発研究動向.
3:機能性材料を学ぶ基礎1
  原子の構造,量子数と軌道,パウリの禁律
4:機能性の材料の基礎2
  結晶と非晶質,結合と物性
5:半導体
  p型半導体,n型半導体,pn接合,トランジスタ
6:磁性
  磁性.誘導磁性:常磁性(強磁性),反磁性,自発磁性.硬磁性,軟磁性
7:磁性材料
  軟磁性材料,硬磁性材料.記憶材料,磁気センサ
8: 光触媒
  光触媒反応の原理,超親水・超撥水
9:圧電体,焦電体の応用
10:誘電
  強誘電体,圧電体,焦電体
11:オプトエレクロニクス材料
  発光素子(LED,LD),太陽電池,光ファイバ
12:生体材料
  生体毒性,人工関節,歯科用材料,
13:燃料電池,超電導体

<成績評価方法及び水準>
定期試験において成績の評価を行い,60点以上の者を合格とする. ただし,授業を4回以上欠席した人は原則として不合格とする.

<教科書>
無し

<参考書>
「機能性材料科学」(安田源 他,朝倉書店)
「ミクロの世界の主役たち」(M.Y.ハン著,渡辺正訳,マグロウヒル)
「材料工学と先端技術」(北條英光,裳華房)
「電子材料」(澤岡昭,森北出版)

<オフィスアワー>
メールで日程を調整すれば随時受け付ける.(yumoto@cc.kogakuin.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
内容が多岐に渡るがエンジニアとして必要とされる機能性材料に関する知識の多くをカバーしています.本授業は選択科目ですが,卒業研究や大学院での研究に役立つのみならず,将来エンジニアとして機械の開発設計等に携わる人にとっては必須不可欠な素養となる科目です.

 

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