自動車工学（Motor Vehicles）[1D71]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

代表的な交通機械である自動車を設計・生産する技術者が知っておくべき，基礎知識を体系的に学ぶ。最新の技術動向とともにエネルギー資源／環境問題を見据えた将来展望にも触れる。具体的な達成目標は以下のとおりである。（１）自動車の技術史と交通機械の将来展望を理解する、（２）自動車の走行抵抗（空気抵抗=各種流れの抵抗を含む）の計算ができること、（３）運動の法則に基づき自動車の加速度、速度の計算ができること、（４）内燃機関の特性から走行性能曲線を描くことができること、（５）動力伝達系とその機構の力学、（６）自動車の振動制御と騒音防止を理解する、（７）人間工学に基づく人間‐自動車システムを理解する、（８）自動車に搭載されつつある情報／メディア機器とその将来を理解する
（JABEE学習・教育目標）
[機械システム基礎工学プログラム]：（D）◎
（JABEEキーワード）
[機械システム基礎工学プログラム]：運動の法則、交通機械、技術史、各種流れの抵抗、内燃機関、ガスタービン、機構の力学、振動制御、人間工学、情報／メディア機器、物流／輸送システム
[前提となる基礎知識と習得後の展開]
「物理学I」、「物理学II」、「工業力学及演習I」、「工業力学及演習II」、「流体力学」、「工業熱力学」、「機械力学」、「制御工学」、「制御工学」、「自動車運動工学」の知識を総合化して学習することで、機械システム工学科で学んだ科目について、自動車技術を通じて鳥瞰する役割を持つ。

＜授業計画＞

１．総論　自動車の技術史，生産の現状，資源エネルギー問題，環境への影響，経済への効果、交通機械としての将来の姿
２．動力性能　その1
　　　走行抵抗――ころがり抵抗，空気抵抗（各種流れの抵抗），勾配抵抗，加速抵抗，　　　
３．動力性能　その2
　　　内燃機関の特性と駆動力および走行性能曲線図，運動の法則から求める走行性能（発進加速，最高速度，登坂性能，制動性能）
４．原動機の選択
　　　内燃機関，電気動力，内燃機関と電気動力のハイブリッド化、ガスタービン，蒸気エンジン
５．自動車と環境問題　
　　　自動車が関連する環境問題の現状と技術者倫理、排ガス，騒音，廃車，生産に伴う環境問題，道路拡張と自然破壊，二酸化炭素の排出、解決のための手段，ZEV(Zero Emission Vehicle)，電気動力車，低公害車の評価，法律規制　
　　　定期試験１
６、７．自動車交通の現状
　　人流，物流，自動車の保有台数，道路整備状況
８、９．交通需要管理
１０，１１　自動車と情報技術
自動車と情報／メディア機器、エレクトロニクス，物流／輸送システム，自動車の知能化　　
１２．総合討論、定期試験2

＜成績評価方法及び水準＞

講義中に指示する「演習」(講義終了後に自力で考えてくる宿題であり、次の講義のはじめに提出する)を評価に加味する。「演習」の内容は＜授業のねらいと具体的な達成目標＞に深く関連しており、これを提出することが単位取得には欠かせない条件になる。その上で、2回の定期試験による評価を行う。演習点(30点満点)と定期試験(70点満点)の合計が60点以上であれば、学習・教育目標が達成され，合格とする。

＜教科書＞

１，5章の講義の教科書：「環境工学入門」鍋島、森棟、是松(産業図書)

＜オフィスアワー＞

講義修了後　1666室(田中講師)、12F講師室(若林講師)にいます。質問／雑談歓迎。

＜学生へのメッセージ＞

自動車の現状と夢を講義します。演習は「自動車整備士の学科試験」レベルです。

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