2008年度工学院大学 第1部機械システム工学科

環境システム論(Introduction to Environmental Systems)[6353]

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2単位
北林 興二 非常勤講師
雑賀  高 教授  
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最終更新日 : 2009/11/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 本学の理念である「持続型社会をささえる科学技術」の発展のためには,環境システムに関する知識が不可欠である。本科目の前半では公害・環境問題を扱い,後半では環境問題が社会・経済に及ぼす影響について考える。これらの知識を習得し,討論を行うことによって,技術が社会に及ぼす影響について理解し,考える能力を身につける。

<学習・教育目標>
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標:(A)◎ (B)○

<前提となる基礎知識と修得後の展開>
 特に必要な基礎知識はない。本科目を修得により,材料,動力学,設計,生産,制御,環境,システムなど全ての分野に於いて,技術的だけでなく,環境的側面からの視点をも持たせることができる。

<授業計画>
(北林教授担当)
1. ガイダンスおよび我国の公害問題の歴史 (1):西洋技術の導入と公害問題。明治から大正にかけての公害問題。足尾鉱毒,別子銅山,日立鉱山における鉱害。
2. 我国の公害問題の歴史 (2):産業の発展と公害問題。四大公害の発生。イタイイタイ病,水俣と新潟水俣病,四日市ぜんそく
3. 経済成長と都市環境問題:光化学大気汚染,自動車排気ガス汚染
4. 産業公害問題の総括:技術と法対策による問題の解決。公害対策基本法,大気汚染防止法,水質汚濁防止法
5. 公害問題から環境問題へ:廃棄物とリサイクル,景観,快適な環境
6. 地球規模環境問題の始まり:気候温暖化,酸性雨,オゾン層破壊
7. 公害問題,環境問題に関してのグループ発表と討議

(雑賀教授担当)
8. 環境をめぐる世界の動き:地球サミット,アジェンダ21,環境問題に対する国際的規制・条約の進展
9. 京都議定書と最新動向:共同実施とクリーン開発メカニズム (CDM),森林と二酸化炭素吸収源,IPCCによる地球温暖化の予測,二酸化炭素削減の長期目標
10. 環境と社会:省エネルギーと新エネルギー,車社会における環境対策,クリーンエネルギー自動車
11. 環境と経営:環境マネジメントシステム (ISO 14001),ライフサイクルアセスメント (LCA),企業の社会的責任 (CSR),環境報告書,環境会計,環境ビジネス,エコファンド
12. 環境と商品:PL(製造物責任)法,グリーン購入,製品の環境負荷低減,環境ラベル,環境配慮設計
13. 環境倫理:持続可能な開発 (Sustainable Development),生物保護,世代間倫理,地球の有限性
14. 環境と社会・経済に関してのグループ発表と討議

<成績評価方法及び水準>
<成績評価方法及び水準>
 毎回実施する演習問題及びグループ発表討議等により評価する。演習問題70%,グループ発表討議30%で総合評価し,60点以上を合格とする。
 「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標 (A) および (B) は,本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>

特になし。毎回,授業テーマ内容についての資料を配付する。

<参考書>
石井邦宣監修,20世紀の日本環境史,(社)産業環境管理協会
林 真理ほか,技術者の倫理,コロナ社
東京商工会議所編,eco検定公式テキスト,日本能率協会マネジメントセンター

<オフィスアワー>
毎授業時間後30分程度をオフィスアワーとする。

<学生へのメッセージ>
 この授業では,環境倫理,製造者倫理などに関して,授業で学んだ事柄に関する簡単なレポートを課すので,文章の構成,表現法など,コミュニケーション技術の向上も図ってゆくよう努力して欲しい。

 

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